風水というものをご存じだろうか?

そもそも道教という中国の方術の一種で、
家相や墓相に関する体系的な知識の総称である。

この風水によると、
◇北(玄武の方角)に山地
◇東(青龍の方角)に河川
◇南(朱雀の方角)に湖沼
◇西(白虎の方角)に大道
・・・のある土地がベストとされた。
このような条件がそろう土地は「四神相応の地」と呼ばれ、
四方位の神に守護される土地として喜ばれた。


では、京都に置き換えてみると? 



ズバリ京都の土地もこの「四神相応の地」であったのだ。

◆北の山地=鞍馬山を始めとする洛北の山々
◆東の河川=鴨川
◆南の湖沼=巨椋池
 (現在は干拓され存在しない)
◆西の大道=山陽道
 (当時の九州地方への玄関口


・・・当時の京都は風水で最も重要とされる条件を全て都としては、理想的な土地だっだことがわかる。


 しかし桓武天皇は、これだけでは気がすまず、さらに多くの怨霊封じ平安京に施した。
古代祭紀の祭壇である磐座(岩倉=イワクラ)を4ヶ所に、当時流行の呪術「陰陽道」風にアレンジした「大将軍」という名前をつけ、大将軍社を4ヶ所設けた。


これらは全て、鬼門とよばれる北東の方角から入ってくる怨霊や災厄から平安京を守る鬼門封じのために造られたものであった。

しかし、過ぎたるは及ばざるが如し。
これらの無数の呪術的機構は、少しでもバランスを崩せば
むしろ逆に魔を引き寄せる結果となる。
混在する無数の呪術的空間のすき間に点在する無数の魔界。
京都はそんな闇の世界を幾つも抱える魔界都市なのである。



     


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