外宮ご鎮座以来1,500年の間、神宮では毎日欠かすことなく続けられてきたことがあります。それは、神々にお食事をお供えするということ。
雨の日も風の日も朝夕2度「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」といって神々へのお食事を用意するお祭りが行われてきました。お祭りのしきたりや作法、そしてその精神は、神宮に奉仕してきた人から人へ、手から手へ丁寧に守り伝えられてきた神宮の文化とも言えます。

ここでは、一日のお祭りがどのように行われるのか、神主さんたちの一日を追いかけて、具体的に紹介します。


奉仕する数名の神職は、前夜8時からおこもり(参籠=さんろう)します。白衣に着替えると、まず潔斎(けっさい)。身を清めるために、体に湯をかぶるのです。
翌朝は5時に起床し、洗面の後、再び潔斎をします。次に、神様の台所にもあたる忌火屋殿(いみびやでん)で、約1時間半かけて神饌(しんせん、神様の食事のこと)を調理します。木と木を摩擦して忌火(いみび)とよぶ清らかな火を起こすことから始まります。

火起こし

は神宮の森の井戸の神(上御井神社=かみみいじんじゃ)からいただきます。お米は神宮神田(しんでん)で収穫されたもの、御塩も古代の製法そのままに二見(ふたみ)の御塩浜で奉製されたものを用います。季節の野菜や果物は、神宮御園(みその)で作られます。明治以降は鰹節やアワビ、昆布、清酒も毎日のお祭りの神饌に加えられました。

ひととおり神饌の準備がすむ午前7時になると、神主さんたちも朝食を済ませ、平安時代さながらの白い装束と冠を着けます。午前8時(冬季は午前9時)にはいよいよ祭典奉仕。神々の食堂、御饌殿(みけでん)へ、櫃(ひつ)におさめられた神饌を運びます。このときに運良く参宮していれば、一般の人々も、神主さんたちが厳かに参道を通るのを見ることができるでしょう。


お膳(神饌)の中の鯛、リンゴ、塗り皿をクリックして下さい。
詳しい解説をご覧になれます。

朝の神饌をお届けする奉仕が終わると、すぐに夕の神饌の準備をします。その後、再び装束と冠を着け、午後4時(冬季は午後3時)には夕の祭典を奉仕します。こうして一日のお祭りが無事に終わります。

神宮ではこのお祭りが、1年365日欠かすことなく続けられています。そんな毎日の積み重ねが1,500年以上にもなりました。これからも、ゆったりした大きな時間の流れの中で、毎日のお祭りが欠かすことなく行われていきます。




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