ルート

京阪宇治駅 → 宇治橋(夢の浮橋) → 平等院通 → 宇治川沿の堤防(対鳳庵)
→ 宿木 →塔の島(十三重の塔) → 朝霧橋(宇治十帖) → 宇治神社(早蕨)
→ 宇治上神社(総角) → 朝霧橋 → 橋寺放生院 → 京阪宇治駅

概要

宇治はお茶の里として有名であるが、
今日の散歩は平安の昔を偲んで
源氏物語の舞台となった宇治の宇治川流域を散策してみよう。

京阪宇治駅
京阪電車で宇治駅(1)に降り立つと�宇治川の流れる音が聞こえる。現代的な駅舎
のなかにも歴史を感じさせる風情がある。

宇治橋(夢の浮橋)
平成8年3月に新しくなった宇治橋(うじばし)は、淡い朱色の欄干から白木の
欄干にかわったが、豊臣秀吉が茶の湯の水を汲み上げた場所�三ノ間(2)も昔の風
情をもつ。橋を渡りおえて、左手の旧宇治橋のたもとには、源氏物語ゆかりの古
跡「夢の浮橋」(3)がある。恋い焦がれる浮舟からの便りがないと嘆いた薫君(
かおるのきみ)の想いが感じられる。

平等院通りから塔の島へ
道にかかる鳥居の左側のみやげ物屋の並ぶ平等院通り(4)をあるくと�鳳凰堂のあ
る平等院の藤棚(5)がみえてくる�その横を石畳の階段をゆっくりあがるとせせら
ぎの聞こえる川端の道にでる。もみじの木々や桜の並木の間から、平等院鳳凰堂
の姿がかいま見え平安の藤原氏の栄華に想いがはせる。すこし歩いて、喉がかわ
いたので傍らにある数寄屋造りの茶室「対鳳庵」(6)で宇治茶(御薄)をいただ
く。
そのまま川の音を聞きながら石畳の道をあるき、左手の中州にかかった橋を渡る。
ここは塔の島。そこには�石塔「十三重の塔」(7)が風雪に耐えた巨木のように建
っている。宇治橋の安全を祈念した西大寺の僧、叡尊の願いである。

朝霧橋(宇治十帖)
塔の島から続く中州は宇治公園(8)とよばれ�対岸へ渡す濃い朱塗りの橋「朝霧橋
」(9)をわたると源氏物語の後編である宇治十帖(10)のモニュメントがあり�源氏
物語の里宇治を象徴している。

宇治神社と早蕨(さわらび)の古跡
朝霧橋のたもとより、木漏れ日のふる石段をあがると、そこが宇治の地名の由来
となった宇治神社(11)である。菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)を祭神とし、
鎌倉時代の三間社(さんげんしゃ)流作りの本殿が有名である。
このそばに、八の宮の姉妹の中君(なかのきみ)が亡き父(八の宮)と姉大君
(おおいぎみ)を思うと春の便りさえも悲しく思うと詠んだ早蕨(さわらび)
(12)の古跡がある。春にはあたりにわらびが芽吹くという。

宇治上神社と総角(あげまき)
早蕨(さわらび)の古跡をすぎてなだらかの坂道をのぼっていくと宇治上神社
(13)にあたる。応神天皇一族を祀った神社でユネスコの世界文化遺産に指定され
ている。宇治上神社をでて山沿いに歩くと、大吉山への登り口のたもとに総角(
あげまき)(14)の古跡がある。薫君(かおるのきみ)が大君(おおいぎみ)への
思いを総角(あげまき:輪を2つ作る糸の結び目)に託した歌を詠んだとされる
場所である。その昔宇治離宮があった場所ともいいつたえられている。もと来た
道をもどり朝霧橋へでる。川の流れと水の匂いにしばし立ち止まる。もし、ここ
から上流へ4分ほど行けば、春秋にはことに美しい「琴坂」とよばれる参道をも
つ興聖寺へいけるが今日は下流へ、川を左手にゆったりと歩き出す。

橋寺放生院(はしでらほうじょういん)
2、3分歩くと、右手に石の階段がある。そこを昇るとそこが放生院(15)である。
聖徳太子の命で秦河勝(はたのかわかつ)が建立した寺で、前庭に、宇治橋架橋
の事績をしめす、日本最古の石碑文字がある。宇治橋を守る橋寺としてしられる。

   
[1]学研都市:21世紀体感ルート       [2]京の真ん中:不思議伝説ルート 
[3]宇治:物語世界への散歩ルート       [4]加悦:ちりめんロード散歩ルート
[5]舞鶴:ロマンティック・ドライブルート   [6]南山城:山背古道(リンク)  
[7]木津川:サイクリングルート        [8]伏見:ほろ酔い散歩ルート