Asia-Wide Backbone
背景
アジア・太平洋地域のインターネット環境は、現在急速に拡大し続けている。いまやインターネットは教育や研究目的だけでなく、ビジネスや政治・環境問題の解決など、さまざまな人間の活動分野において利用され始めている。
しかしまだアジア・太平洋地域においては、このような情報共有のためのインフラ・技術の両面において解決されなければならない問題が残されている。現在この地域のほとんどの国はインターネットへの接続を確保してはいるが、これらのほとんどはアメリカ合衆国のゲートウェイに接続されている。つまり、アメリカ合衆国がアジア・太平洋地域におけるインターネットトラフィックのハブの役割を果たしているのである。このような状況が改善されなくてはならないのは明らかであろう。
現在アジア・太平洋地域内では、インターネットバックボーンを構築するためのさまざまな活動が始まっている。インターネットサービスプロバイダ(ISP) や学術・研究機関、またはそれらの共同体などのさまざまな組織が、それぞれ独自の計画で、独自のバックボーン構築に取り組んでいる。現時点ではどのようなバックボーンの形態が最適なのか、その答えは出ていない。しかしバックボーン構築に携わる人達全ては、究極的には同じ目標を目指している。
「安定し信頼性があるインターネットバックボーンをアジア・太平洋地域内に構築する事により、アメリカ合衆国を中心としたインターネットパラダイムから脱却し、アジア・太平洋地域のネットワーク及びそれを利用するさまざまな活動をサポートする。」
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バックボーン構築計画
- A-Bone
- 1996 年に開始された A-Bone は、Asia Internet Holding 社 によるアジア・太平洋地域の高速インターネットバックボーンである。
- 現時点での接続は、以下の通りである。
- 香港・東京間 (1.5 Mbps)
- シンガポール・東京間 (2 Mbps)
- AIH は 台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、インド、韓国とそれぞれネットワーク接続を確立し、A-Bone を拡大する予定である。また1998年度までに、フィリピンやオーストラリア、中国やベトナムなど他の重要な国々に対しても A-Bone との接続を設ける計画である。
- SINGNET/STIX
(Singapore Telecom Internet Exchange)
- STIX は、アメリカ合衆国中心のネットワークモデルの代替として、アジア・太平洋地域内のインターネットトラフィックを内部で経路制御する「バックボーン網 (meshed backbone)」を作る事を目標としている。
- STIX Connectivity Map: 現在の STIX の接続図。接続ステイタスは随時更新されている。
- STIX の接続パートナーリスト
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Internet 1996 World Exposion
(日本のミラーページはこちら)
- インターネットワールドエキスポ (IWE) '96 は、情報時代における世界的な祭典である。全てのパビリオンがインターネット上に WWW サイトの形で設置され、世界中の人が観覧・参加できるという、これまでにない新しい試みである。
- IWE は全世界的な行事であり、アジア・太平洋地域は特別な扱いを受けているわけではない。しかし、IWE はアジア・太平洋地域のインターネットバックボーン発展に重要な役割を果たしているのである。すなわち、IWE の円滑な運営のために世界中に高速回線を付設する計画が、アジア・太平洋地域のインターネットバックボーンの充実をもたらしたのである。
- The Internet Railroad: IWE における他目的インターネットインフラストラクチャーとして、世界中に高速ネットワーク網を張りめぐらせる計画。
現在の接続ステイタスはこちら。 Bay Networksによるレールロードマップはこちら。
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Pan Asia Networking (PAN)
- カナダの International Development Research Centreが中心となり、アジアの電子商取引の拡大、研究や政策の問題に関するコミュニケーション・知識共有の手段の発展をサポートする目的で設立された。
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Asian Internet Interconnection Initiatives (AI3)
- アジア・太平洋地域の全ての国々は、現在のインターネット利用 (WWW に代表される) に十分耐え得るだけの帯域を持ったインターネット接続を確立する必要がある。しかしこの条件を満たすような接続をもつにはコストがかかりすぎ、また高度な技術が必要とされるため、実際には多くの国々にとっては困難である。
- 1995 年に日本の WIDE (Widely Integrated Distribute Environment) Project および JSAT (Japan Satellite Systems Inc.) によって始められた A3は、テストベッドの構築とその上での研究活動を目的としたプロジェクトである。A3はまたその活動の一環として、アジア・太平洋地域における未来の情報インフラストラクチャー (Asia-Pacific Information Infrastracture: APII) のためのネットワーク設計も取り上げている。
- Global Reach
Internet Consortium (GRIC)
- GRIC は Aimnet Corporation が開発した AimTraveler というサーバソフトウェアを基盤として、世界的なインターネットにおけるローミングサービスを提供する国際的な共同体である。
- 現在の GRIC のメンバーのリストは こちら 。
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Asia-Pacific Advanced Network(APAN)
- APAN は、アジア・太平洋地域の情報インフラ、
特にその重要な構成要素となるインターネットの基幹ネットワークを整備し、
ネットワークを利用した地域間の協力および共同研究の発展を目的としている。
また、アメリカ合衆国中心のスター型トポロジを持つ現在のインターネットを
改善し、アジア・太平洋地域内にネットワークハブを構築することも目標とし
ている。
APAN は 1997 年から本格的に運用を始め、2000 年にはギガビットクラス
のネットワークへ移行する予定である。
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