1938年、愛知県豊橋市生まれ。東京農業大学林学科を中退して山岳写真家・田淵行男氏に師事。71年、個展「穂高」を機に独立する。90年に出版した『日本の原生林』(岩波書店)により91年に日本写真協会年度賞を、また93年の『HIMARAYA』により94年度講談社出版文化賞を受賞。『雷鳥』(平凡社)、『熱帯雨林BORNEO(講談社)、『水物語』(ディーエイチシー)など多数の著書がある。北海道は屈斜路湖畔に暮らし、山と自然を撮り続けている。海外にも撮影行に出るが、今年96年は「生態系から見た日本」をメイン・テーマと定めている。
sensoriumのスタッフが
水越 武さんにお願いした理由
北海道・屈斜路湖の自邸で.... |
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窓の外には白銀の原野。 たいへん静かな暮らし。 餌台に、絶え間なく小鳥が来る。 |
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そもそも山歩きから 山や森の写真を撮り始めた 水越さんの撮影機材は 驚くほど少なく、軽い。 |
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[WORKS]
![]() 「水物語」文/高田宏・写真/水越武 発行/DHC |
![]() 「屋久島・亜熱帯と亜寒帯が出会う島」 CD-ROM 制作/ISLE・発売/SynForest |
![]() 日本をセンスしてもらおうと思った理由 「自然との共生」「母なる地球を守ろう」という口当たりのよい言葉が氾濫しています。もちろん、それはそれでけっこうなことだけれど、「母なる自然はつねにやさしいか」といえば決してそうではない。大雨、洪水、噴火、山火事、雪崩、地滑り、突風……。やさしさの半面、自然はおそろしい顔も持っています。 我々が忘れがちな自然のおそろしさを、水越武さんはいつも意識しています。ヴェテランの山男として、一瞬の後に表情を変えるかもしれない彼女の気まぐれを、過不足なく知り尽くしているのです。だから山に登るときは、身軽に動けるように最小限の装備で慎重に足を運ぶ。自然へのロマンだけを語る多数派とは異なる、冷徹なリアリストなのです。 海中でも水越さんは、ボンベを装着せずに素潜りで、しかもフラッシュなしで撮影したいといいます。それは自然に甘えず、あらがわず、おもねらない、彼の姿勢の現れであるにちがいありません。その姿勢から、いわゆる「絵はがき写真」とは一線を画する、自然のありのままの、そしてぎりぎりの表情をとらえた写真が生まれるのです。 畏怖の念を忘れず、同時に必要な敬意も払う。「自然とのコミュニケーション」というと、また安易な言葉遣いになってしまうかもしれませんが、それがありうるとすればこのような態度をもってしかないでしょう。水越さんの自然への対し方を紹介したい、水越さんのように自然に接したい……それが我々スタッフの望むところなのです。(sensorium スタッフ Oz) |
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