川風に乗って走ろう−−−木津川サイクリングロード


桂川、宇治川、木津川の三つの河川が合流する八幡市と大山崎町の一帯は、
平安時代の昔から交通の要衝として、また文化・文物の集積地として栄え、
近世以降は様々なドラマの舞台として知られています。
この合流地点の南側、背割堤公園を起点として、東に向かって木津川堤を
サイクリングすれば、時代劇やテレビドラマのロケ地として有名な流れ橋
に到着(約5km)。

対岸に緑濃い鈴鹿山系を見ながら、さらに南に向って木津川堤防を遡上す
れば山城大橋を経て木津町の泉大橋に至ります。背割堤公園の御幸橋から
約20kmのここまで、約1.5時間のサイクリングは、汗ばむ肌に冷た
い川風が気持ち良く、快適でお手軽なアウトドアスポーツを楽しめます。
時間に余裕があれば、沿道の名所旧蹟に立ち寄って、この地で生まれたド
ラマに思いを馳せるのも楽しいものです。

1)男山ケーブル
京阪八幡市駅と石清水八幡宮とをつなぐ全長400mのケーブルカー。
途中鉄橋を渡って約3分で山上駅に到着します。山上駅からは桂川、宇治
川、木津川が合流して淀川となる眺めが素晴らしく、サイクリングに出発
する前か、或いは帰着後には足を運んでおきたいポイントです。

2)石清水八幡宮
応神天皇、神功皇后などを祀る859年創建の神社で全国4万社の八幡宮
の総帥。徳川家光造営の八幡造の本殿をはじめ、廻廊、幣殿は美しく彩色
され、動植物の丹念な彫刻で飾られています。日光までは遠いけれども、
ここなら京阪八幡市駅から10分足らずでお詣りできますよ。

3)背割堤公園
木津川、宇治、桂川の合流域で木津川と宇治川の間に1.4kmの長さで
半島のように伸びています。春には桜の名所として多くの市民に親しまれ
ていますが、シーズンを通じて芝生広場やプロムナードを楽しめます。
この公園の東端がサイクリングロードの出発点となる御幸橋になります。

4)単伝庵 − らくがき寺
御幸橋を出発して数分、京阪電車の踏切りを渡ってすぐ右手を市街地に折
れると大黒さんを祀るお寺があります。昭和32年この本堂が建立された
のですが、以来この本堂の壁に自分の願いを書くとかなえられるという言
い伝えがあり、らくがき寺として進学、恋愛、子作りに悩む老若男女に親
しまれています。

5)薬薗寺
奈良時代の僧行基が治療薬の栽培のための薗(畑)を管理するために建立
した寺院でした。この辺りの地名が森なのも、薬草、薬木の森に由来して
いるようで、今も森堂とか薬薗院とも言われています。
本尊は薬師如来の立像で、木造りの等身大の古仏です。

6)流れ橋 − 上津屋橋
テレビや映画の時代劇でお馴染みの木造りの橋で日本で最長の長さと言わ
れています。河原の白い砂や木津川の清流とよくマッチして江戸時代のの
どかな趣を残し、えも言われぬ風情があります。ここまで来たら、この流
れ橋を渡って河原で一休みしたいものです。

7)伊佐家
1734年(享保19年−徳川吉宗のころ)に建てられた入母屋造の屋敷
で、2mの厚さの豪壮な茅葺きの屋根が有名です。但し現在は内部見学が
出来ないのは残念です。

8)一休寺 − 酬恩庵
木津川沿いに南下して山城大橋に着後、国道307号線を右折し、さらに
府道22号線を右折すれば一休寺に至ります。
とんちの一休さんで親しまれる一休禅師再興の寺で、本堂や一休和尚座像
など重要文化財が多く、庭園も素晴らしい名刹です。

9)蛙塚
木津川の左岸です。田辺町と井手町を結ぶ玉水橋を渡り、JR奈良線の玉水
駅をこえるとすぐ左手に有ります。古来「井手のかわず」として多くの古
歌に詠まれ江戸時代までに83首も歌い込まれてきたそうです。またこの
辺りは谷川ホタル公園や龍王の滝など清流に因んだ名蹟が沢山あって自然
も満喫できます。

10)泉橋寺
このサイクリングロードの終着点、或いは折り返し点の泉大橋の手前に、
橋を守るかのようにある寺で、奈良時代の日本初の大僧正行基が五畿内
に造営した49の寺のひとつとして伝えられています。
また、鎌倉時代に作られた石の地蔵菩薩は高さが4.58mもあって、重
要文化財の五輪の塔とともに日本一の地蔵として有名です。


   

[1]学研都市:21世紀体感ルート       [2]京の真ん中:不思議伝説ルート 
[3]宇治:物語世界への散歩ルート       [4]加悦:ちりめんロード散歩ルート
[5]舞鶴:ロマンティック・ドライブルート   [6]南山城:山背古道(リンク)  
[7]木津川:サイクリングルート        [8]伏見:ほろ酔い散歩ルート