■ 自述 ■
封岩(Feng Yan)

 長きにわたって、人は縛られてきた。 創作行為も、その“正統”な既成概念に照らされた“影”の下で行われてきた。 “光”の下へと出て行く勇気はなかった。 “光”とは果てしない“天空”であり、何の束縛も受けない“天体”あり、対照されるものもない。 そこに絶対的な正確さ、唯一の形式・内容などは存在しない。自己の主観と意志に従うのみなのだ。
 芸術の本質とは、抽象的な精神世界に存在し、そこには法もなければ道もない。 自我を精神世界に解き放ってこそ、初めて本当の自我を追究できる。 夢幻、瞑想、幻覚、思考、すべては実在する。 いうなれば、それはある種の豊かさの縮図である。 その豊かな含蓄に与える単純で素朴な形式を追究するのだ。 感覚とは、素直なものであり、すべては「自覚」の中から生まれる。
 よい映画とは、常に良識と情感に忠実であらねばならない。
 経験に頼るだけでなく、人々の精神世界に対する確かな「自覚」であらねばならない。




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