百鬼徒然袋 巻之中
(国立国会図書館所蔵)
石燕曰く
彦山の豊前坊、白峯の相模坊、大山の伯耆坊、いづなの三郎、富士太郎、 その外木の葉天狗まで、羽団扇の風にしたがひなびくくらまの山の 僧正坊のゑり立衣なるべしと、夢心におもひぬ。
解説
彦山の豊前坊以下の名前は、鞍馬山の大天狗の部下である、各地方の
天狗
の名前です。 鞍馬山の大天狗は京都の愛宕山の太郎坊と並ぶ日本 最強の天狗で魔王大僧正とも呼ばれました。その魔王尊 (サナート・クマラ)が日頃着ている衣であれば、霊力を持つのも 当然かもしれません。