今昔百鬼拾遺 霧之巻
(国立国会図書館所蔵)
石燕曰く
はたひろがある女夫の出てかへらざるをうらみ、おりかかれる機を たちしに、その一念はたひろあまりの蛇となりて夫の行衛をしたひしとぞ。 「自君之出矣不復理機」と唐詩にもつくれり。
解説
これも「
蛇帯
」のように女性の怨みが 変化したものでしょうか。家を 出たまま帰ってこない夫への恨みが、機で織られる織布に塗り込められ、 できあがった織布が蛇と変化して夫を探すそうです。