恋しい男を心ならずも

道成寺の鐘に閉じこめて

恋の炎で焼き殺してしまった清姫

その身は蛇体と化して

日高川の藻屑と消えたが

思いはなおもその地に残り

恨みの鐘の再興を待ちわびていた

それから幾年、鐘再興の供養の日

女人禁制の道成寺の庭に

一人の白拍子が現れた
   <松井 彬氏(喜多流)>



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