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いるか村図書館


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「イルカのマジック―The Magic of Dolphins」

(ホラス・ドブス著/豊嶋義輔翻訳/アイサーチ・ジャパン監修/1,500円)

今年4月の第4回国際イルカ・クジラ会議にプレゼンターとして参加したドブ ス博士の著書「The Magic of Dolphins」の日本語版。イルカに興味を持った人 達やもっとイルカを知りたい人達のための入門書として、イラストや写真も多く 、とても読みやすい本です。

「クジラの歌」

(ロバート・シーゲル著/中村融訳/東京創元社/1300円)

ザトウクジラの若者の冒険と成長の物語。テーマとしてはありふれているかも しれません。しかし、他の多くのイルカ・クジラを扱った小説には、あまり見ら れないほど、クジラや海の生き物の生態、あるいは捕鯨や海洋汚染などの問題を 詳細に取り上げられています。またクジラの歌も随所に織り込まれています。何 よりもクジラの視点(!?)で書かれているところが興味深い。「クジラやイル カは何を考えているんだろう?ヒトをどう見ているんだろう?」こんな疑問に対 するヒントになるような一冊だと思います。

「鯨とイルカのフィールドガイド」

(大隅清治監修/笠松不二男、宮下富夫著、東京大学出版会発行)

判りやすいカラーイラストと写真(船上で採寸等の調査時のもの)入りのハン ディサイズの図鑑です。イルカ・クジラ好きなら、たくさんの種類とその特徴を 押さえておきたいですね。この本を片手に水族館へ行くのもよし、ウオッチング 船に乗るのも…。否、いろいろなものが飛んでくるかもしれないので止めた方が いいかもしれません。あまり海に行けない季節の間にイルカやクジラの基本的な 知識を得たい人には格好の入門書です。

「イルカと友だちになる方法」

(廣瀬裕子・文/平野恵理子・絵/講談社/1000円)

“イルカ好き”の女の子が、思わず笑ってしまうのだけれどとってもまじめな 努力と準備をして、イルカにご対面するまでのおはなし。絵も文章もほのぼのし ていて、肩に力が入っていなくて、気持ちよく読めます。表紙の裏に書いてある 言葉が、あるとき突然目に止まるかもしれません。「あなたがしあわせな気持ち になると、イルカもきっと、しあわせな気持ちになります。」そのときは自分だ けの幸せを追っているのではなくて、相手のことを大切に考えているとき。この 言葉は‘イルカ’のところに何をあてはめてもきっと同じでしょう。地球上のす べてと友だちになりたい人へ、お薦めします。

「ザ・クジラ―海に映った日本人(第四版)」

(原剛著/文眞堂/1957円)

例えば歴史の授業が近代をおざなりに触れて終わってしまったように、捕鯨史 でも古式捕鯨は詳しく知られていても、近代捕鯨はあまり語られていないかもし れません。各国の主張、政府の主張、民間の主張、個人の主張、いろいろな考え 方があります。主張の違いは視点の違いから生まれていることもあります。それ らと捕鯨史の事実をきちんと把握することは大切です。その上で、捕鯨に反対・ 賛成の二者択一ではなく、これからどんなクジラと人の新しい関係を築いていけ るか私たちは考えていけると思うのです。

「クジラを捕って考えた」

(川端裕人著/PARCO出版/2300円)

TV局のディレクターである著者が、1992年の調査捕鯨に実際に船に乗り込ん だ記録です。捕鯨の今現在に着目した視点は、思いがけず斬新なものといえるで しょう。そして、その内容は無機質に客観的なものでもなく、また感情に走るも のでもありません。にもかかわらず、著者のクジラ、捕鯨船員の人たち両方をみ る目はあくまで人間的です。調査捕鯨は何の為にあるべきなのか。人間とクジラ を結ぶものは何か。現場に立った者だけが有する「現在」の体験を元に、将来に 向いた本です。

「パワナ―くじらの失楽園―」

(ル・クレジオ著/管野正昭訳/集英社/1400円)

サブタイトルは原書には見あたらない。原題はただ‘PAWANA’。ネイテ ィブ・アメリカンの言葉で「鯨」。「世界の始まりから存在したがままの、名も ない、秘密の場所」とは? それは鯨にも人にもあるはずの場所なのだろうか。 そして現存する特定の場所は、その人の宇宙になり得るのか。これは小説である 。一気に読み終えてしまうに違いない、大きな活字と上下の余白。しかし、短い 話を新書版にしたからと言うことなかれ。一冊の本の感想は読んだ人の数だけあ ります。違う視点を知ったり、あるいは共感できることがあったら、面白いです ね。この写真集をあなたはどのように感じるのでしょう?

「aqua―高砂淳二写真集」

(小学館/1,900円)

「写真のような絵」というのがあるが、これはまさに「絵のような写真」であ る。こんなのあり?、と思うほど美しい光景が次々と目の前に広がる。動きのあ るイルカたちが写っているのに、ジャンプしている様子ですら不思議と静かで穏 やかさを感じる。眺めている自分まで穏やかな気持ちになり、にこにこしてしま うような本だ。イルカのおなか、後ろ姿、真正面からの顔…etc。イルカってこ んな表情してるんだ。改めて海に生きるイルカの姿を見直した気がします。私た ちって、なんで海の色を見ると心が和むのでしょうか。ひょっとしたら、生まれ る前の記憶が呼び覚まされるのかもしれません。イルカのかわいさを感じ、水の 気持ちよさを思い出す、ココロが柔らかくなれます。

“海ってこんなに沢山の表情があるんだ”と教えてくれる写真集です。海の中 に差し込んでくる太陽の光、月の光に照らされる海、雲海の様な海底の砂。主役 のイルカたちの間に現れる海の世界も、是非、ゆっくり見て下さい。

光が色、波が砂、イルカが水、全てが海。そして一頭一頭のイルカの力強さ、 美しさ。対極にみえる「全」と「個」がぶつかり合い、引き合っています。これ が自然というものなのでしょう。イメージ先行の写真集が多い中、この本はイル カが素晴らしい野生動物だということを再認識させてくれます。どうもありがと う。

「イルカ物語」

(写真・ジェームス・ワット/文・藤原幸一/株式会社データハウス/1200円 )

全ページにいろいろな表情のイルカたちが登場します。と、ここまでは他のイ ルカを中心とした写真集と変わりはないのですが、ページをめくっていくうちに どうしてもここで止まってニマニマしてしまうページがあるのです。そこで問題 です。そのニマニマしてしまうページとは何ページでしょうか?


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「ネイチャーゲーム―1〜3」

(ジョセフ・B・コーネル/日本レクリエーション協会監修/日本ナチュラリ スト協会訳/柏書房)

原題は"SHARING NATURE WITH CHILDREN(子供たちと自然を分かち合う)"、"SHARING THE JOY OF NATURE(自然の喜びを分かち合う)"、"LISTENING TO NATURE(自然 の声を聴く)"…。自然に触れ、その中に溶け込むためのゲームを集めた1、2巻 とナチュラリストたちの素晴らしい言葉を集めた3巻。読むだけで自然に気持ち よくなれる本です。もちろん、実際にネイチャーゲームしてみれば、もっともっ と気持ちよく。

「地球生命圏−ガイアの科学」

(ジェームズ・ラブロック著/工作舎)

NASAの火星探査計画にも参加した英国の科学者、ジェームズ・ラブロック。彼 のこの一冊から生み出された「ガイア仮説」も、いまや、新しい世界観、宇宙観 として、私たちの精神に根付きつつあります。

「グローバル・ブレイン」

(ピーター・ラッセル著/工作舎)

「ガイア」の中で、わたしたち「ヒト」の「意識」がどのような役割を担って いるのか?という視点から、現在人間が直面している危機についてとらえます。 なんていうとちょっと難しそうだけど、コンピューターによるネットワークと、 瞑想、ヨガ、セラピーといった精神世界の拡がりが、実は「意識の拡がり」とい う同じ一つ流れであるとしてしまう、なんていうのは結構面白いと思います。( なんとビデオもあるのだ)

「木を植えた人」

(ジャン・ジオノ著/こぐま社/800円)

たった42ページの短編。そこに「信じる力を励ましてくれる」深いメッセージ が込められています。

「地球の庭を耕すと―地球と話す12か月」

(ジム・ノルマン著/工作舎/1957円)

音楽でイルカやシャチと対話する異種間コミュニケーションの第一人者ジム・ ノルマンの3作目。本書で彼がコミュニケーションするのは、さまざまな種類の 花や草木そして野菜です。米国ワシントン州の小島での彼の暮らしとその「庭」 の12カ月が、「一木の庭」「心ある庭」などのテーマのもとに語られていきます 。あくまで自然体の語り口の中に「庭づくり」を通しての自然や地球との付き合 い方がちりばめられています。

「ネイティブ・マインド〜アメリカインディアンの目で世界を見る〜」

(北山耕平著/地湧社/2,472円)

インディアン(ネイティブ・アメリカン・ピープル)のひとたちが考えてきた こと、ずっと伝えてきたことには、ときどきとてもハッとさせられることがあり ます。その言葉一つ一つが、とても地に足のついたもの。土の匂いがするような 気がします。本文で取り上げた「風」の歌の他にも、そんな言葉がたくさん取り 上げられています。

「風の博物詩」

(ライアル・ワトソン著/木幡和枝訳/河出書房新社/3,300円)

この本の“第3章 風の歴史‐1.航海風”にカツオノエボシ(クラゲ)が登場 します。風と関わって生きてきたのは、もちろん人間だけではありませんよね。 私たちは“われわれ”という言葉を「人間」を統括する代名詞として使いがちで す。でも“われわれ”は全生命の代名詞であり、地球のことでもあるのです。

「空の名前」

(写真・文・高橋健司/光琳社出版/3200円)

雲・水・氷・光・風・季節の6章からなるこの本は、自然の移ろいの一瞬を写 真という形でとらえ、美しい季節の言葉とともに私たちにみせてくれます。特定 の場所ではなく、身の回りの自然の美しさ。身の回りとは、近所という意味だけ ではありません。地球がスタジオなのです。そして空にも海はあります。空が海 、雲が波。雲は時には船にもなります。本来、空に名前はありません。でもこの 夏、海へ行ったら、あなたの空に名前を付けてみてはいかがですか。

「宇宙船とカヌー」

(ケネス・ブラウワー著/芹沢高志訳)

この世界には色々な人がいます。日本人やイギリス人という国の違いではなく 、まして人種の違いではありません。私の周りにいるのは、花のような人、水の ような人。主人公の一人、ジョージ・ダイソンは‘風のような’人と云えるかも しれません。人類の移住のために宇宙船を計画する父フリーマンと、手つかずの 地を目指しカヌーをつくる息子ジョージ。この本は、異質な二人の個々の記録が 、並列して書かれています。乗り物は違っても同じ目をしている父と子は、それ ぞれ破天荒でとても魅力的です。ジョージは自然の中を住み家としていますが、 ジョージの中にも風や海や森はあります。そして私たちの中にも、きっと・・・ と思うのです。あなたの近くにはどんな人がいますか?

「地球大紀行1―水の惑星・奇跡の旅立ち―」

(日本放送出版協会/3,000円)

地球は水の惑星と呼ばれています。地球に水が、海が出来たことから生命が誕 生しました。地球と両隣の金星と火星。これらの星は創世が途中まで同じであり 、似たような原始大気を持っていた可能性が高いと考えられています。それが何 故、金星は濃硫酸の嵐が吹き荒び、火星は氷塊とドライアイスが両極冠に集まる 星となったのでしょうか。運命を分けたものは、太陽からの距離だったのです。 ・・・と聞くとワクワクしてきたでしょう? とても遠い話のようにも思えます が、少なからず関心を持ってしまうのは、自分では知らない地球の創世や進化の 過程が、人間の身体のどこかに記憶されているからかもしれませんね。そうでな ければ、どうして人間は探求したり調査したりしてしまうのでしょう・・・。N HKで放映された好評シリーズの第一巻です。

「屋久島の時間(とき)〜水と緑の12か月〜」

(星川淳著/工作舎/1957円)

ゆっくり流れる屋久島の春夏秋冬を―徐々に進む島の変化への警鐘を静かに鳴 らしながらも―水と緑に映しとったような文章で綴られています。亜熱帯から寒 冷地までが同居する屋久島の自然は美しいものですが、いつもその面ばかり見せ ているわけではありません。島に生活しているからこそわかる自然の両面性があ ります。屋久島に住む人に屋久島の時間があるように、例えば、私には私の住む 東京の時間があります。ゆっくり呼吸してみましょう。あなたの生活している場 所で。

「パパラギ―始めて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集―」

(岡崎照男訳/立風書房)

“パパラギ”とはサモア語で空を打ち破って現れた人、帆船に乗って来たヨー ロッパ人のことだそうです。1920年に初版されましたが、現在でも“そうだ よね”と納得のいく話が沢山あります。今の私に印象深かったのは、休みなしに 駆け続けるパパラギに対しての言葉で“ぶらぶら歩き、さまよう楽しみを、私た ちを迎えてくれる、しかも思いがけない目標に出会う喜びを彼らはすっかり忘れ てしまった。”という話でした。

「Alaska―風のような物語」

(星野道夫著作/小学館)

アラスカの大自然とその中で生活する人々との出会い。そして、彼自身がそこ で生き、体験したことを写真とエッセイに収めた本です。写真はもちろん、文も 読み始めたら最後、あなたも“星野ワールド”のとりこになること間違いなしの おススメ本です。


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「自然流「せっけん」読本」

(森田徳光著/農文協)

私のまわりにも(会社も含めて)石鹸の成分にこだわる人は意外にたくさんい ます。大きな理由は2つ。1)海や川になるべく害のないものを使いたい。2) 自分の肌に合うものを使いたい。「環境派」と「お肌派」に分かれるようです。 一見、視点が全然違うように見えますし、生活様式みお違うこともあります。で も、自然に害が少ないと言うことは人にも害が少ないと言えるのでは?人の肌に 刺激が少ないものは自然にもそうなのでは?人体の成分は海の成分と同じですも のね。両方の人も、中間の人も、私たちが毎日使う石鹸の知識を深めてみてはい かがでしょう。

「日本型環境教育の提案」

(清里環境教育フォーラム実行委員会編/小学館)

この本は「清里環境教育フォーラム」に参加した、様々な立場の人々40人によ って書かれています。従って、同じ本の中に異なるメッセージがありますが、そ の混在が環境教育の現在のアイデンティティーなのかもしれません。「日本型」 とは「現在の日本社会の状況下で環境教育をすすめるための…」という意味なの です。堅い題名の本ですが、たくさんの具体例を私たち独自の環境教育を始める ための道具として使うことをこの本は提案しています。

「地球を救う大変革」

(比嘉照夫・琉球大学教授/サンマーク出版)

EM(有用微生物)を使った農業によって、土に地球にそして私たちのカラダに よい作物と環境を作る。沖縄の大学のセンセイが考えたこの「EM農法」は、今や 日本全国に広まっています。これも一つの「うずまき」現象!

「太陽を解読する―環境問題の死角を探る―」

(坂田俊之著/情報センター出版局/1450円)

太陽があるから、海に波が出来るのです。知ってました?太陽にはいろいろな エネルギーがあり、私たち知らない所でその恩恵を受けています。そしてそのエ ネルギーを蓄えているのは、海なのです。(海ってスゴイ!)太陽→海→環境問 題と、全くアイサーチと離れているわけではない、そんな太陽についてもっと身 近に感じられるこの一冊。感心することばかりで、科学が苦手な人にもオススメ です。


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「モモ」

(ミヒャエル・エンデ著/岩波書店/1,800円)

灰色の男たちに時間を盗すまれた人々は、時間をどんどん節約して、みんなカ ラッポになっていった。その時間をとりもどしてくれた少女、“モモ”の物語。 人はそれぞれ自分の時間をもっていて、それがホントに本人のものである間だけ 、生きた楽しい時間なんだ。では、自分の時間をもっているって、どういうこと だろう。例えばモモのように全身全霊で隣人の話を聞くことができるということ !ファンタジーは夢物語ではなく、人間の想像力と創造力が未来に向けられてい く希望なんだと教えてくれたM.エンデ。去る8月29日、本当に向こう世界へい ってしまった。“あの音楽の出てくるところ”へ…。

「タオのプーさん」

(ベンジャミン・ホフ著/平河出版社/1545円)

プーとその仲間達が、タオイズムの世界へやさしく導いてくれる本。なるほど …実は、プーって老子なんだ。あるがままの自分、そして世の中をそのまままる ごと受け入れて、今の瞬間をじっくりと味わい、にっこりと微笑んでいる…。そ れがプー!。この本を読んでいると、誰の中にもどこかに必ずひそんでいるプー が、きっと見つかる。人生は、蜂蜜ほどではないけれど、かなり甘いものだって 思えてくるはず。


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