Dolphin Talk

うずまきの仕組みを考える


 ベルギーでの第5回国際イルカ・クジラ会議は盛況の内に幕を閉じ、アイサーチの活動も"All as One"というメッセージと共に、ヨーロッパでのネットワークを広げることができました。アイサーチ・ハワイもスタートし、いよいよアイサーチのグローバル・ブレインが起動し始めます。
 さて、アイサーチ・ジャパンも、”うずまきのように外へ拡がる活動”がますます展開されていくよう、1月からうずまきワークショップを始めました。そして、先月4月が第1期の最終月となりました。
 この時代の変革期に、自然や人間同志が調和した社会を作りたいと、多くの人たちが望んでいます。けれども頭でわかっていてもなかなか自分の生き方は変えられない、という現実をかかえている人も多いと思います。たった1人の思いから、新しい動きを始め、その活動が社会性のあるものとしてより多くの人の役に立ち、どんどん広がっていく”うずまき現象”は一体どのようにして始まるのでしょうか。
 まず第一歩は、”一体自分は何をしたいのか””何が好きになのか”にはっきり気付くことが必要です。ちょっとした思いつきや興味を、所詮無理なこととして打ち消してしまう前に、”何故そんなことを思いついたのか、感じたのか”を繰り返し、自分自身に問いかけてみます。時には一過性の興味の場合もありますが、いつまでもその事が気に掛かり、実現したいという、”強い思い(意思)”へと変わることもあります。
 けれど、すでに抱えている現実を考えると、夢は夢でしかないような気になり、いつもの生活を続けます。それでも、”強い思い”は事あるごとにささやきかけてきます。
 100人の人がいれば100通りの違った”強い思い”があるはずです。これに関しては、人と比較をするようなことではありません。自分自身の中で、その”強い思い”に沿って選択をしていくかどうかです。その時点では人生を賭けた選択とまで大げさに考える必要はないと思います。日常的な情報や体験の機会を選択していく内に、おのずと道は開けてくるものです。常に信じるのは自分の内なる”強い思い”だけなのです。
その思いに向けて指向性のあるアンテナを張り続けていれば、人のネットワークも情報量も広がります。アイサーチ・ジャパンのネットワークに参加をしているということも、その一歩かもしれません。
 こうしている内に、肩書きや立場にとらわれない”本来の自己への気付き”や、社会に対しての自分なりにの価値観が生まれてきます。こういう既成概念を越える気づきはどこまでも終わりがなく、日常的な実践の繰り返しにより、どんどん自分の内面を深めていくものです。すると、”自分の強い思い”を実現するためのプランや方法がより心の深いところから、具体的に思い浮かんでくるようになります。
 こうなってくると、うずまきを起こすのも、うずまきを広げるのも、自然の摂理に従うままです。うずまきは自然現象としていったん生じると外へ外へと広がっていきます。多くのことが、現実となって私たちに還ってくるようになるでしょう。深く掘り下げた、いきることの意味や、人生において大切なことへの価値観が、共感してくれる人たちへの信頼と安心感を生み、うずまきはどんどん広がっていきます。
 逆になかなかうずまきとして広がっていかない時には、プランか方法論か信頼か安心か、何かが、人の心を打たないのではないでしょうか。多くの場合、人間性を信頼され、安心して心を開ける人だと思ってもらえれば、プランや方法論はより多くの人たちの参加により、どんどんよりよく展開していくものです。それがうずまき効果の一つでもあるのです。
 うずまきを起こすことは、案外難しくないのです。ヴィジョンや方向性は、常に自分自身の心の中にあるものだからです。ただ、頭での理解から、このような自分の中心のたどり付くまでの”自分なりの強い思いへの気づき”への道は遠く感じるかもしれません。より多くの人が、始めの一歩を自ら踏み出し、上から下へ人をコントロールしたり命令したりするピラミッド型のシステムを離れ、うずまき型の現象の中で自己実現しながら生きることができれば...。 一人一人の意識の変革が、より平和で心豊かな生き方を実現し、調和や協調に基づく21世紀を生きる哲学や、新しい社会システムを作り出すのだと思います。アイサーチ・ジャパンは、こんな自己表現の”場”です。より多くの皆さんの自己的参加でたくさんのうずまきが起こるのを楽しみにしています。(岩谷 孝子) 

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