池澤夏樹 いけざわなつき
1945年、北海道帯広市生まれ。
埼玉大学理工学部物理学科を中退後、ギリシアに3年近く暮らす。ギリシアの詩や現代アメリカ文学を翻訳するかたわら、78年の『塩の道』(書肆山田)などの詩集を発表。一方で小説やエッセイも執筆し、88年に『スティル・ライフ』(中央公論社)で芥川賞を、92年には『母なる自然のおっぱい』(新潮社)で読売文学賞を受賞した。
読書と旅と自然を愛し、現在は沖縄に在住。硬質かつ明晰な文体で書かれた『マリコ/マリキータ』(文藝春秋)、『マシアス・ギリの失脚』(新潮社)などの小説のほか、その文学観を『ブッキッシュな世界像』(白水社)や『読書癖』(1・2 みすず書房)などの評論集に、自然観と宇宙観を『南鳥島特別航路』(日本交通公社/新潮文庫)や『楽しい終末』(文藝春秋)などのエッセイにうかがうことができる。
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