原日本・高知の自然流生活館水UPBOTTOPHOMEMAPIWE96

■高知のホエールウォッチングの歴史


1988年
高知の沖合いにクジラがもどってきたといわれるようになった。8月18日/高知県主催の「高知まんがフェスティバル'88」の「まんがフォーラム」(高知県民文化ホール)の席上、パネリスト岩本久則氏が<高知でのホエールウォッチング>を提唱。
1989年
●5月16日/室戸市で、岩本久則氏の講演「観鯨・夢のあるホエールウォッチング」が(室戸市役所会議室)で行われる。会場から「ホエールウォッチングがはじまれば、またクジラに会える。うれしい。」という捕鯨OBの声が印象的であった。
●5月25日/WW記念日(高知県で最初のWWが行われた日)
漫画家であり自然派作家である岩本久則氏と室戸捕鯨OBの長岡友久、千代岡吉信、山田勝利氏らによって、1989年5月25日、室戸海域に回遊してくるマッコウクジラを目的としたホエールウォッチング(WW)が行われた。船名:末広丸、船長:長岡友久、出入港:佐喜浜漁港。
●8月1日/「大方町遊漁船主会」発足
県西部でも、大方町水産商工課の指導により大方町遊漁船主会がWW事業を始める。
*高知でWWが始まった年。それは、遠い親戚にでも逢うかのようなある種の緊張感と懐かしさの中から始まったともいえる。
1990年
●2月17日/ホエルコ発足
海域の自然観察、特にホエールウォッチングにおける人と海とクジラの新しい関係の中に海を感じ、海を考え、海を楽しみ、そこにヒューマンネットワークの輪を広げることにより新しい海の文化と産業の発展に寄与することを目的とする。
●3月1日」/岩本久則著「土佐の鯨」(アドランドプロダクツ)発行
日本発の本格的WWグラフィティ。土佐のクジラに新しい意味と意義をあたえると共に、これからのWWの進むべき方向を示したWWガイドブック。WWのバイブルと評価を受ける。
●4月16日/室戸市・三津漁港のゴンちゃん(ハナゴンドウ)54日間の生活に別れを告げ、地元漁民の手により海に送り出される。2/22入港、3/28日死産。
●5月15日-5月16日/人と海と鯨の新しい関係を考える「WHALCO'90]開催。日米の5人のスペシャリスト、ロジャー・ペイン博士、ポール・ウィンター、長井広勝、浜野安宏、そして岩本久則氏の各氏を迎え、ホエールウォッチング(室戸沖)とホエールディスカッション(高知市)を行う。
(写真左端/ロジャー・ペイン博士、右端/ポール・ウインター氏)
1991年
●1月/ハワイ・マウイ島を中心とするWW研修ツアーに参加。
●8月1日/「佐賀町遊漁船主会」発足。WW事業開始。
●8月4日/「WHALO'91室戸WW」を高知県産業デザイン振興協議会と共催。クジラが与えてくれる感動という無形の価値をいかに有形の価値にすることができるか。協議会の皆さんとその可能性を探る。
●8月/小笠原ホエールウォッチング協会の宮沢会長一行来高
●9月/小笠原ホエールウォッチング協会の渋谷事務局長一行来高
*高知のWWが情報として全国区になる。しかし、空港に降りても、国道を走っても「クジラがいないじゃないか」と言われる。
1992年
●2月26日-3月7日/アメリカ、ハワイおよびニューイングランド地方訪問。海洋空間がもつ情緒的資源の創造的活用としての事例視察。特に、クジラに関する現場を中心に訪ねる。
5月25-30/豪華客船・オセアニックグレース号「土佐沖WWクルーズ」として高知港から大方・四万十川河口沖にクルージング。ニタリクジラと出会う。
●9月19-20日/「WHALCO'92・大方WW」実施。ニタリクジラ大接近。最初はこちらの様子を確かめていたが大丈夫と思ったのか、ブッシューというブロー音と共に船の横に現われ、ピンク色の腹を見せての横泳ぎ、船の下をくぐる、等のフレンドリーな行動とクジラへの思いやりのある操船技術があった。
*ニタリクジラの新しい発見が次々と登場した年。沿岸型であり沖合型ではない、定住型であり季節移動しない、バブルネットをしている、繁殖は通年型ではないか、ピンク色の腹、等々である。
1993年
●1月20日/高知のWWの実態調査のためエリック・ホイト氏(イギリス)来高。室戸、大方、佐賀の現場を訪ねる。
●5月3日/WDCSのショーンワイト氏来高。大方町を訪問。
●5月15日/尾びれをあげないことで有名なニタリクジラの「尾びれを垂直にあげる行動」を大方沖で中西和夫氏が観察。(Whalco Vol.10)
●5月23日/ニュージーランド・カイコーラからWW実践者リチャードオリバー氏来高。室戸、大方に滞在。
●7月16-19日/「WHALCO'93」WW展と室戸WWの実施。
高知のWW関係者の連係により、WWの楽しさや素晴らしさを知ってもらおうと、クジラ関係者をはじめ日本から、世界からの「大ホエールウォッチング展」を開催。「WHALCO'93・室戸WW」は、目的クジラであるマッコウクジラに出会うことはできなかった。
成果:ハナゴンドウ、オキゴンドウ、トビウオを見ることができた。
*発見クジラに向かう船のスピードや船の数の多さがいわれだした。
1994年
●4月/「下ノ加江遊漁船主会」発足。足摺ホエールウォッチングとして始まる。
●8月6-7日/「国際ホエールウオッチング会議」開催。大方町、佐賀町が中心となって行われた、魚師が呼びかける国際会議であり、世界のクジラの頭脳が集まった。WWとクジラ会議が行われた。(Whalco Vol.15)「WHALCO'94」は国際会議への参加とする。
●9月/エリックホイト氏(イギリス)から「ホエールバス」の提案。(Whalco Vol.16)
*阪神大震災により、高知の観光は低調の年であった。その中で、WWは過去最高で大方町遊漁船主会だけでも('94/3月-10月)総計18.494人を数えた。
1995年
●2月/土佐湾ホエールウォッチング推進協議会は、「土佐湾ニタリクジラ個体識別・1995」を作成。ニタリクジラの写真を基に背ビレのカタチやキズ跡を観察することにより14個体を識別。今後は、この方法による個体識別調査を続けると共に、識別個体のニックネームを募集したり、調査のための里親制度なども考えられる。
●4月/宇佐漁港でもホエールウォッチング事業を開始。
●6月12日/高知県が行っている土佐湾ニタリクジラ生態調査結果と平成7年度の調査計画を大方町・入野のウォッチングセンターで関係者に発表。
●8月13日/「WHALCO'95・大方WWガイド」の実践。今回はいつもと違って、クジラを見るのではなく高知県観光モニターツアーのWWガイドを行うことになった。ガイドをすることによってWWの楽しさを高めることが実証された。
*個体識別ということに関心が高まりだしたので、WWの楽しさに深みがでてきた。
1996年
●4月/興津漁港でもホエールウォッチング事業を開始。
●5月/室戸海域でのWW(第二末広丸)にハイドロフォンが登場。この海域には、マッコウクジラをはじめゴンドウやイルカのハクジラ類が多いので見るだけでなくそれぞれのクリック音を聞くこともできるので、WWの楽しさが広がりそう。
第1回オーシャンエコツアーを室戸・大方の2拠点で実施。クジラに対するハラスメント問題の解決に向けての活動を開始。クジラに会うためのホエールウォッチングからクジラのいる海洋の自然と人間の関係を考えるオーシャンエコツアーへの移行、さらにそのツアーのあり方の模索を始めています。
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