広島の仏壇は,伝統的な木工,彫刻,塗り,蒔絵,箔押し,金具などの技術を集約し製造されています。
現在のような仏壇が作られるようになったのは,紀州から安芸藩主になった浅野家に同行した漆職人たち
が始めたとの説,京都,大阪から伝習したとの説がありますが,いずれにしても18世紀までには,始め
られたといわれています。
その後,「安芸門徒」の名で知られる浄土真宗の普及を背景に隆盛に向かい,明治になると広島
市に仏壇町が誕生するほどになりました。
現在は,技術者の高齢化,生産量の伸び悩みなどの問題があるものの,広島,福山地域で約700人
の従業員がおり,年間5千本を製造し,出荷額は約32億円で全国生産高の15%を占めています。
昭和53年(1978)には,国の伝統的工芸品として指定されました。
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