造船(呉市,三原市等)

 瀬戸内海を中心とする地域は,温暖な気候や東西
海上交通のルートにあたることなどにより,古くか
ら各地で造船が行われ発展してきた歴史があります。
 19世紀に倉橋町で,日本最古のドックである桂
ケ浜ドックが造られました。
 明治45年(1912)には,英国人ハンターが,
木村鐐之助とともに,因島に近代的造船所を造って
います。
 戦後,旧海軍工廠の跡に進出してきた米国大手造 船所により,造船技術が伝授されるとともに,わが 国において,ブロック建造技術が開発され,今日の 造船技術の基礎を築きました。  県内中小造船所は,戦後の内航海運業界の発展, 鋼船化に伴い,多くの造船所が木造建造から鋼船建 造に転換しました。  昭和34年(1959)制定の中小型造船合理化臨 時措置法,昭和49年(1974)以降二度にわたる 構造改善事業の実施により設備の合理化,近代化が 進み,技術の充実と相まって「造船県広島」の名を 高めました。
 しかし,昭和60年(1985)秋以降の造船不況 や円高等の影響により,大手造船所の人員削減や業 界再編等の合理化が進みました。 その後,業界全体が「社会ニーズ対応」をテーマに 造船所の近代化に向けて構造改善事業に取り組ん でいます。


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