1931年(昭和6)に始まった満州事変、日中戦争、そして太平洋戦争。昭和初期はまさに戦争の時代でした。戦争が長期化するにつれ、金属や皮革が不足するようになり、郵便ポストやベンチ、金網からお寺の鐘まで、あらゆるものが回収されるようになっていきます。1943年(昭和18)には「電話も兵器なり。民間の電話を供出してほしい」という召集令状が発せられ、翌年の供出運動の際には7600もの電話が集められました。その電話もやがて空襲に飲み込まれてゆくこととなります。