明治21年(1888)、東京〜熱海間に電話線を架設して通話試験を行なったところ、良好な結果が得られました。これにより明治22年(1889)1月1日から1年間、東京〜熱海間で一般公衆通話の取り扱いを試行することとなりました。これは電話創業に備えた遠距離通話の試験と世間の人々に対する電話知識の啓蒙のためでもありました。この試行を経て、翌23年(1890)4月、わが国電話事業に関する最初の法令「電話交換規則」が公布され、創業に向けて本格的に準備が始められました。まず東京と横浜で交換が開始されることとなり、東京は4月、横浜は6月に電話交換事務所が設置され、12月16日から交換業務が開始されました。新橋−横浜間に鉄道が開通してから18年後、日本の電話創業がはじまりました。この頃、浅草には1階と12階を電話でつないで通話体験ができる「陵雲閣」が建てられます。