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昨年スタートしたステップI(構内系PHSサービスの早期展開)では、主に武蔵野研究開発センタ内でのPHS無線区間の伝搬特性等、端末の移動性実験を行ってきました。本年4月にスタートしたステップII(PMCサービスの早期展開)は、パーソナル通信におけるマルチメディア化実験のスタートポイントとなっています。
パーソナル通信ですぐイメージされることは、「ワイヤレスによる私の電話」と思われますが、VI&PのPersonalサービスのコンセプトとしては、私の好みのサービス、いわゆるカスタム・メイドのサービスの意味も含まれています。したがって、サービスを提供するネットワークとしては、有線系も含まれることになります。PMCサービス実験ステップIIも、この背景をベースとしており、大きくPHS端末と非電話端末の組合せで実現する「端末形PMCサービス」と、PHSとインテリジェント化した有線系ネットワークの組合せで実現される「ネットワーク形PMCサービス」に分かれています。
端末形PMCサービスは、(1)家庭内ではコードレス電話、屋外では携帯電話として使用できるPHS端末の特徴である端末の移動性、すなわち「ターミナル・モビリティ」に優れた点、及びPHSは、(2)無線区間を32kbit/sと高速のディジタル通信を実現しており、携帯電話に比べ、よりマルチメディアに向いている点を活用したマルチメディア通信サービスです。
一方のネットワーク形PMCサービスを次に示します。利用者が「PHS端末」又はその所有者固有の番号(パーソナル番号)等が書き込まれた「無線ICカード」を持ち歩くことにより、PHSネットワークが利用者の所在位置を半径数100mの精度で検出することができます。この位置情報を活用したきめ細かなカスタム・メイドのサービス、例えば追いかけ電話サービス等を提供するものです。この無線ICカードを持ち歩くことにより、パーソナル番号によるマルチメディア通信サービスがどこにいても利用できるということは、端末を持ち歩く「ターミナル・モビリティ」に対し、いわゆる「パーソナル・モビリティ」を実現することになります。