JIMIHENDRIX IN THAILAND
タイ北部に位置するチェンマイ、そこにロック・ギターの名手がいるという 話を聞いた。ジミ・ヘンドリックスのコピーが上手いから、チェンマイのジミ・ ヘンと呼ばれているらしい。早速、彼が演奏するLIVE HOUSEへと足を運んでみ ると、すでに満席状態。はじめは軽く曲をこなすといった感じだったのが、徐々 にボルテージを上げていくのが良くわかる。はやり、うまい。そして歌も良い。 ロックだけでなく、ブルースやレゲエといったジャンルの曲も演奏する。
彼の名はトゥック、現在32歳。20歳の時に、独学でギターを弾きはじめる。 子供の頃から洋楽を耳にしてきたのだが、実際に演奏するようになったのは、 大学生になってからだ。決して早くないスタートではあるが、耳がいいのだろう。 短期間にメキメキと腕をあげていった。その後、ギターを持って2年間ヨーロッパ を放浪する。その間、ストリートをはじめLIVE HOUSE等で白人はもちろん、 アフリカ、アジア各国のミュージシャンとセッションしてきたという。話をして、 視野が広くしなやかさがあるのはそのせいかもしれないと思った。
実力からして、 タイはもちろん日本のレコード会社からもデビューの誘いは あるのだが、断り続けている。理由は、自分を失わず、チェンマイというホームタ ウンでプレイすることにこだわり続けているからだ。
最近はロックをベースにタイの民族音楽を取り入れたオリジナル・ソングを 模索しているらしい。今後、彼がどういった音楽を作り出していくのか非常に 楽しみである。(写真・文 神園宏彰)
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