1810年頃
「當世七癖上戸」文化七年刊
酒造のある鳥羽街道は、京都と大阪を結ぶ交通の要衛で、いまなお、昔の街道筋の名残りをとどめる。
鳥羽伏見の戦で羅災に見舞われている。
かつては、京から西国に赴くお公卿さんの中宿もつとめ、石清水八幡宮への勅使が参向される途中、
休まれた折りに詠まれた歌が残されている。 「かげ清き月の嘉都良の川水を 夜々汲みて世々に栄えむ」 『月の桂』という銘は姉小路有長という公卿の命名に因る。 『月の桂』は「月中桂あり、高さ五百丈、常に人ありて、これを切る...」とある中国の伝説からつけられた名である。 |
式亭三馬 作
版画・和本(和紙) 520mm×360mm