バッタンバッタン -今も聞こえる機音・西陣- 西陣界隈・西陣織手機の音 |
西陣 西陣という呼称は今から500年前の室町時代、応仁の乱の時ここに西軍が陣を置いた事に由来する。 しかし、織物の地としての西陣の歴史はさらに長い。 織部司(おりべのつかさ)の工人たちが宮廷を彩る錦を織り、鎌倉時代には政府の手を放れた織り手たちがその技術を民業として根付かせた。 そしてそのルーツは秦氏が大陸よりもたらした織技術にまでさかのぼることができるのである。 現在の西陣織の出荷額は平成7年度で1,594億円を超えるが、ここには約1000の業者と、直接・間接にわたる約4万人の人々が従事している。つまり西陣産地は中小企業の集団なのである。西陣界隈の、決して広くはない街角を歩くと今もそこ、ここの町屋から機音が聞こえるゆえんである。 |
機の音 西陣織が織り上がるまでには、図案・ジャガードの紋紙おこし・糸の段取り・織り・仕上げなどの数多くの行程を要し、それぞれが専門技術をもった人々の手で分業化されている。 現在ではコンピュータグラフィックスで制作した図案のデータを直接織機で織り出すという新しい手法も取り入れられているが、西陣ならではの高級品や金糸などを使った繊細なものは、ジャガードの「手機(てばた)」や爪の先で糸をかいて模様を織り出す「綴機(つづればた)」などの手作業で織られているのである。 綴機ではトントンと糸をよせる音の間に爪先が糸の上を走る繊細な音が、手機ではジャガードの紋紙によって糸が動かされるリズミカルな音が心地よく聞こえる。 |
インフォメーション 西陣織会館 |