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江戸時代の川柳に「人間の洗濯をする五十鈴川(いすずがわ)」というのがあります。清流で手を洗い、心を澄ませて川面を眺めていると心身が爽やかになってくるのが実感できるからです。一夜の雨で濁っても、すぐにもとの清流に戻る五十鈴川。そんな清らかな水をかもし出すのは5,500ヘクタール(5,500町歩)余の神宮の山(宮域)。伊勢市の3分の1を占め、東京都でいえば世田谷区全体の面積、甲子園球場の1,300倍にもあたる広さです。2,000年も昔から大神さまの山とあがめられてきた神宮の山は宇治橋を渡って右手が神路山、左が島路山。現在、生木の伐採をしない地域と、神苑の風致を守り手入れする区域と、五十鈴川の水源を保ち将来の式年遷宮の用材の檜を育てる山に分けられています。森林資源が減少し現在では木曽の国有林に頼っていますが、大正初期から200年かけて実現しようという気の長い大計画で、五十鈴川上流の山に植樹して育成し、いずれは自給自足しようというものです。 |