桜のムービー [QuickTime format:1.7MB]

吉野山の梢の桜を見たその日から、
私のこころは私の体から遊離していった

桜に生き、桜に死す。
西行といえば花。西行生涯の作品には、桜の歌が異常に多い。春の花、桜を繰り返し詠う。なかでも散る花を詠う西行は、こころを奪われ放心している。しきりに散りかかる花弁に降りこめられる空間は、もはやこの世のものではない聖なる世界だ。西行は、おのれから抜け出していこうとするこころをいかんともできない。
そんな「うかれ出づるこころ」「あくがるるこころ」を生涯、詠い続けた。

おわり