サン ジョン キム

ソンジェ現代美術館、キュレーター

1965年韓国生まれ 韓国、ソウル在住
・1991年 ミシガン州、ブルームフィールドヒルズ、クランブルック美術アカデミー修士課程修了 芸術学美術専攻
・1988年ソウル、梨化女子大学卒 芸術学美術専攻
おもな経歴
・1993年-現在 韓国、慶州、ソンジェ現代美術館、
キュレーター
・1993年-1995年 ソウル、漢城大学講師
・1993年-1995年 ソウル、中央大学講師
・1993年-1995年ソウル、祥明女子大学講師
・1993年 ソウル、国立現代美術館ゲストキュレーター
おもな企画展
・1995年 「Photography Today」 ソンジェ現代美術館
・1994年 「The Human, the Environment, and the Future」 ソンジェ現代美術館
・1993年 「Photography and Image」ソンジェ現代美術館 

 二十一世紀を目前にしたいま、コンピュータはアートの新しい分野であるとみなさ れている。世界のすべての国々を結ぶインターネットは、絶えず成長しているプロジ ェクトである。デジタル画像に変換された既存のアート作品を「ウェブ・アート」と 呼ぶだけでは十分ではない。この様な方法には高速な情報伝達という利点がある。ア ーティストたちはサイバースペースにおける自由と活動に挑んでいる。
 地球的規模であり、また権力や情報の分散が進んでいる現在の世界においては、ア ートは特定集団(収集家、学者、美術史家、アートの専門家、美術館入場者など)の ためだけのものではなく、一般大衆のためのものでもある。今や、電子メールを使 っているようなアーティストたちはインターネット上に自分のホームページを開設し つつある。ナンシー・スペロの『女性・戦争・犠牲・抵抗』のような作品は、バーチ ャル空間の中で発表される単なる写真ではなく、見るものによって「現実」の空間に おいて体験される。この作品の中から例を挙げると、写真の一枚は頭を垂れロープで 縛られた裸の女の写真であり、この写真はゲシュタポに関する記事の中から見つけら れたという説明がついている。
 今日テクノロジーとアートは不可分であり、相互に依存し合っている。十九世紀の カメラと映画の登場、そして百年後のテレビとビデオの発明は二十世紀に変化を及ぼ してきた。マスメディアのひとつとしてのテレビの出現は、われわれの社会と文化に 非常に多くの変化をもたらすと同時に、ポストモダニズムの方法を定義した。
 カメラと映画の時代は徐々に、CD-ROM、コンピュータ、インターネットによって電 子画像の時代へと移行しつつある。さらにこれらのニューメディアは、情報の受け取 り方、仕事や相互の意志伝達のしかた、アート作品の制作方法などに影響を及ぼして いる。
 コンピュータを使うことによってわれわれは、アート作品や思想を一瞬にして非常 に多くの人々に伝えることができる。これは以前には想像すらできなかった事である 。即時性こそが二次元、三次元グラフィックスとバーチャル空間にとっての鍵を握り 、またコミュニケーションにとっての重要な要素でもある。
 二十一世紀に臨んで、われわれはこのことに注意を払わなければならないであろう 。アーティス トたちは画布、鉛筆、油絵具、彫刻素材などを使うよりも、自分のホームページ使っ て制作するようになるであろう。また近い将来、ギャラリーはサイバースペースギャ ラリーを展開していくであろう。コンピュータは、従来の単なる”役に立つ道具”と いう概念を越え、それ自体が仕事をこなしていくものとなっていくであろう。