佐藤 勲 |
視覚的にイメージが知覚されるとき、そこには輪郭線や陰影、質感はなく、すべては網膜を通して視神経を刺激する光の(反射の)束となる。 人間の視覚能力がもっとも速く反応するもの、色彩。色は、ノイズのないストレートな光の反射として目に飛込んでくる。知性(他者性)ではなく、感性(我々となりうるもの)としての知覚の絵画は、見ることの強度、体験することの強度を増し、イメージ(現実)をあるがままにして、それを変性、増幅させてしまうような能力を引出そうとする。画面にひろがる単純で力強いグリッド構造は、イスラム教モスクの無限連続文様のように空間と空白を無限に広がってゆき、イメージは宇宙的で普遍性をもつようになる。かつて神秘主義そのものだった数学(古代幾何学)的な構造と、色の集積は、肉体の内部のすでに私達がもっている現実と、絵画(環境)という外部の現実とのコミュニケイションによって形成されるもので、より経験的なものである。 |
Radio Pipe II 1995 30 x 23.2 x 2.3cm x 2 Colour tape, spray colour on wood
Wideawake Red and Yellow |
Fine Field Red on Black 1995 25.5 x 18.1 x 1.9cm x 2 Colour tape, spray colour on wood |
Fine Field Blue on Black 1994 181.7 x 181.7 x 7cm Mat paint, sticker, silicone on canvas |
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