ネットワーク・ミュージアム&マガジン・
プロジェクトについて



われわれ 美術館メディア研究会はこれまで、大きく変容するメディア環境のなかで、 美術館がどのようなすがたで機能し得るかを検討してきた。
今回インターネット・ワールド・エキスポに参加するにあたって、あらたにプロジェ クト・チームを組織し、インターネットを含めたネットワーク・コミュニケーション が持つ可能性についてあらためて考えなおすことから始めた。
そして、インターネット上にネットワーク・ミュージアムをつくると同時に、アート を媒介にしつつ諸文化を今一度捉らえなおすネットワーク・マガジンを創刊すること とした。

私たちが提起するこの新しいネットワーク・ミュージアムは、従来のいわゆるヴァー チャル・ミュージアムとは一線を画するものだ。ネットワークそのものを美術館とし て機能させつつ、仮想世界にとどまることなく現実と仮想の両世界を連結させ、かつ 、世界の美術館、アート・サイトとリンクしつつ展覧を進める。この新たな美術館は 12月24日に開館記念展を開催することを計画している。

同様にネットワーク・マガジンも、単なる雑誌のインターネット化ではなく、ネット ワーク上でしかなし得ないさまざまな実験を行いつつ、ネットワーク・ミュージアム の展示と連動した年間テーマを追求する自己増殖する有機的なマガジンを試行する。 単なる美術館の機関誌、広報誌にとどまることなく、世界のアート遊牧民とのネット ワークを育む窓口となるメディアをめざしていく。

したがってこのプロジェクトは、インターネット・エキスポにふさわしい、実験的な プロジェクトである。ゆえにこのプロジェクトの成否は、多くの人々との積極的なネ ットワーク・コミュニケーションと、国内外の美術関係者、愛好家の方のボランタリ ーな協力や助成が獲得できるかどうかにかかっているといえる。 多くの方々との交流を通じ、この試みがネットワークとアートの可能性を再確認して いくプロセスとなることを願う。



[Back] [Network Art Forum]

Copyright (c) Dai Nippon Printing Co., Ltd. 1996
Network Museum & Magazine Project / nmp@acs.dnp.co.jp