美術館やお寺で仏像に対峙したとき、その表情が変化したり、足の指が反り返ったり、蓮の花から飛び立とうとしているように見えることがありませんか。僕にはそう見えるんだ。だから、あの巨大な伎楽面が実際に生き生きと動き出したら、どんなにか楽しいだろう。ならば動かしてみせようと考えた結果が、今、取り組んでいる「新伎楽プロジェクト」なんだ。14種の面を再現するだけでも大変な作業で、製作者の方と試行錯誤を繰り返している。2000年には万之丞流の『新伎楽』をお目にかけます。期待していてください。