大田楽2


発祥と衰退

平安時代に生まれた田楽とは、田仕事のための即興的な労働歌や踊りから発生し、田植えや農耕儀礼などの際に行われた神事へと発達した民間芸能です。五穀豊穣を願って笛や太鼓を鳴らし、あぜ道で舞い、行進したのが始まりとされています。鎌倉時代末期から室町時代前期にかけて日本各地で大流行し、公家や武士、庶民の別なく愛好されました。



また、美麗な飾りを身に着け、囃子や歌謡に合わせて舞う「田楽法師」というプロ集団も現れ、座を結成して全国を渡り歩き、興行しました。寺社の再興や修理を名目にした勧進田楽も盛んに行われました。ところが、室町中期には世阿弥による猿楽能の完成によって、田楽は忽然と姿を消したのです。
そして、今、数百年の時を超えて、この一大エンターテイメントが甦ります。




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