百鬼徒然袋 巻之中

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く 杖払木魚客板など、禅床ふだんの仏具なれば、かかるすがたにもばけぬべし。 払子守とおなじきものかと、夢のうちにおもひぬ。
解説 杖払、木魚、客板は禅寺で使用されるので、化けるとすれば達磨の ように化けるだろう、ということです。石燕自ら払子守と同じものか と記しています。
菩提達磨は禅の開祖で、六朝時代末期(西暦520年頃)にインドから 中国へやってきて、「大乗壁観」を伝えました。その後、禅は 「師資相承(ししそうじょう)」という形で、仏法を一人の師から 一人の弟子へと受け継ぐ形で伝えられます。