今昔百鬼拾遺 霧之巻

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く 田舎道などによなよな火のみゆるは多くは狐火なり。この雨にきる たみのの嶋とよみし蓑より火の出しは陰中の陽気か。又は耕作に 苦める百姓の臑の火なるべし。
解説 雨の降る晩に、着ている蓑の端などに突然怪火(怪光?)が現れて くっつくものをいいます。熱くはありませんが、払うことはできない ようで、燐光の一種でしょうか。払えば払うほど数が増えるともいわれて います。新潟地方ではイタチの仕業だといいます。秋田地方では、 寒い晴れた日に蓑や笠の端が光るようで、やはり何か自然現象 のようにも思えます。
地方によっては「ミノボシ」(蓑星?)「ミノモシ」ともいわれるようです。