今昔百鬼拾遺 雨之巻

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く 煙霞跡なくして、むかしたれか栖し家のすみずみに目を多くもちしは、 碁打ちのすみし跡ならんか。
解説 これも器物の妖怪の一種です。→ 付喪神
人が住まなくなって荒れ果てた空家には目目連などが住みつく ということです。江戸時代の話ですが、ケチな商人が宿代をだすのも もったいなく思って、一軒の空き家に泊まったところ、 夜中に破れた障子に目目連が現れたそうです。しかし、この商人は その目玉を全部袋にしまい込んで、売り飛ばしたとか。 いったい恐い妖怪なのでしょうか?
人の住まなくなった空き家の障子は破れていて当然ですから、 そのたくさんの穴のあたりが出所かと思います。鳥山石燕の本文には 「碁打ちのすみし跡ならんか」と書かれていますが、碁打ちとの関連は どんなものでしょう。碁盤の目と障子の類似からでたものでしょうか?