今昔百鬼拾遺 雨之巻

(国立国会図書館所蔵)

石燕曰く むかし、漢の東方朔、あやしき虫をみて怪哉と名づけしためしあり。 今、この否哉もこれにならひて名付たるなるべし。
解説 「いやみ」ともいわれるようです。昔、仙台で小僧が米を買いにでかけた ところ、買い物の帰りに、人気のない町中で若い女が前を歩いて いきました。姉の後ろ姿に似ていたので、声をかけたところ、振り返った 顔はしわくちゃの爺で、驚いた小僧は買った米をまき散らしてしまった そうです。その妖怪は「驚かせて悪かったな」と言って米のぶんの銭を くれました。この妖怪はイヤミといって、後ろ姿は美しいが顔は爺だ ということですが、本当に妖怪だったのでしょうか。