画図百鬼夜行 風之巻
(国立国会図書館所蔵)
解説
大和の元興寺で、かつて悪さを働いた男が元興寺に埋められ ていたが、夜になると鬼になって現れ、鐘つき堂の小僧を 襲ったそうです。そのためか、関西の方では子供をさらう鬼 ・妖怪のことをガゴゼとかガゴジとかいったりします。
柳田国男は「妖怪談義」(講談社学術文庫)の中で、 ガゴ・・・を化物とする地 域についての考えを表していて、お化け出現の音からきたの ではないかと言っています。また、ガゴ・・という音が先に あり、それが元興寺に結びつけられたのではないか、と考え ていたようです。