画図百鬼夜行 陰之巻
(国立国会図書館所蔵)
解説
山中に住む老婆の妖怪です。多くの目撃談や伝承があります。どうも 良い山姥と悪い山姥がいるようで、土地を豊作にさせたり富を与えたり する一方で、旅人や子供をとって食うという話も数多く残っています。 また、悪い山姥も死んだ後に富や作物になるという話もあり、 「古事記」の伊邪那美(いざなみ)の神話と類似点が考えられます。 やはり豊饒の神、再生のための犠牲といった共通の主題があったのかも しれません。
島根県の山姥は、誰も見ていないときに頭上の口で食事するそうです。 二口女でもあるのですね。