今昔百鬼拾遺 霧之巻
(国立国会図書館所蔵)
石燕曰く
在原業平二条の后をぬすみいでて、あばら屋にやどれる鬼に、 一口にくひけるよし、いせ物がたりに見えたり。
白玉か何ぞと人のとひし時露とこたへてきえなましものを
解説
耳まで口が裂けた鬼で、一口で人や動物を食べてしまうそうです。
石燕の説明にある在原業平の話は、「伊勢物語」六段にある話で、 物語中では男、女と書かれている話が、業平と清和天皇の后である 藤原高子と解釈されているようです。