今昔百鬼拾遺 霧之巻
(国立国会図書館所蔵)
石燕曰く
岸涯小僧は川辺に居て魚をとりくらふ。その歯の利き事やすりの如し。
解説
岸崖小僧は、子供ほどの大きさで、身体中に毛が生えています。足には 水かきが付いていて、尻尾があり、歯が強く、魚も頭からばりばり食べます。
「雁木小僧」とも書きます。この名前は、口と歯の形が雁木に似てい ることからついたようです。雁木というのは丸くてギザギザのついた一種の 歯車のことです。岸辺を通る魚屋が「岸崖小僧」を見ると、安くて大きな 魚を一匹投げ与えたということです。