今昔百鬼拾遺 雨之巻
(国立国会図書館所蔵)
石燕曰く
狂骨は井中の白骨なり。世の諺に甚しき事をきやうこつといふも、 このうらみのはなはだしきよりいふならん。
解説
恨みをもった人骨を井戸の中に隠したりすると、やがて骸骨姿の幽霊が 現れます。自分の骨の在る場所を示そうとしているのでしょうか。 あるいは、生きていた頃の肉体も意識もなく、ただ恨みだけが形となって 現れたものでしょうか。狂骨は相手かまわずに祟るようです。
井戸に投げ込まれた話では皿屋敷のお菊が有名です。