bogomil's CD collection | 1 |
ラフマニノフ:《ヴォカリーズ》 心をなぐさめる弦の響き |
Rachmaninov: Vocalise |
「うつ病患者は、ゆううつ感から離脱することを求めている。むじゅん[ママ]するようだが、この場合、陽気で快活な幸福感にみちた音楽をきかせると、患者はしばしばいらだってくるのである。そして、短調音楽に、かえってひきつけられる徴候を示す。短調の典型的な表現は悲哀のムードである。楽器については絃楽器がいちばんよく、管のたぐいは、噪音に敏感な患者や、不安な状態に苦しむ患者には、適切でないことを発見している。アルトシューラーの方法は、うつ病患者の気分を変化させるのに、まず、リズムのはげしい音楽で注意をひきつけておいて、つぎに、かれらの現在のムードにぴったりとする哀調をおびた音楽を聴かせる、それから、次第に、暗い悲しい音楽から明るい音楽へと、曲目を変えていく」(40〜41頁)。