◆今回は鉢についてレポートします。

第一回目のガーデングッズ研究は園芸に欠かすことの出来ない植木鉢についてです。私達は本来大地に
根を張って生きているものを、より身近に観賞するために植木鉢に移し育てています。植物を上手に育
てるためにもそれぞれの植物や環境に見合った鉢を選ぶためのちょっとした知識を今回は下記の4点に
分けてまとめてみました。

 ■良い植木鉢とは
 ■鉢の種類
 ■鉢の選び方
 ■趣味の鉢

     ■良い植木鉢とは
 植木鉢は植物のお家です!
 鉢はただ培養土を入れる器の役目だけではなく、植物の生育に深い関係を
 持っています。通気性が良く、水分の調節ができ、植物の大きさや根の量
 に見合った大きさの鉢が良い鉢です。鉢良否は植物の生育に大きな影響を
 あたえます。植物はそれぞれ快適な環境がちがうのでその植物のここちよ
 い環境をつくるためのひとつのファクターとなるのが植木鉢だと思います。
 植木鉢と一言でいっても、様々なサイズ、形、素材、作りかたがあります
 ので植物のここちよい環境にあった鉢を選ぶ知識も大切です。


 ■鉢の種類
 植木鉢は大きく分けて、プラスチック鉢、素焼き鉢、駄温鉢、化粧鉢の4
 種類に分かれます。簡単にまとめてみました。

  ○プラスチック鉢
 現在主流なのはプラスチック鉢でしょう。花屋の店頭で売られている鉢物
 の植物はほとんど、プラスチック鉢に入れられていますし、鉢売り場も様
 々なプラスチック鉢が売られています。素焼きの鉢に比べ通気性、透水性
 が悪いのが難点ですが、軽い、こわれない、種類が豊富で価格も比較的に
 安価なのが人気の理由でしょう。

 ○素焼きの鉢
 昔から親しまれてきた素朴な植木鉢です。粘
 土が材料で低温で軽く焼かれているため表面
 には目にみえない小さな孔がたくさんあるた
 め、通気性、透水性に非常にすぐれています。
 水をやると余分な水分は鉢面と底の両方から
 流れ出ますので栽培には大変向いています。
 ただ、重くて壊れやすいので扱いには注意が
 必要ですまた、乾きやすいという欠点もあり
 ます。私は、素焼きの鉢の素朴な雰囲気が大
 好きで家の植物は殆どがこの素焼きの鉢です。
 使えば使うほど、カビや苔などが付き新品に
 はない風合いも出してくれます。もっと色々
 なデザインの素焼きの鉢があるといいのにな
 ー!といつも思っております。

 ○駄温鉢
 素焼きと同じく粘土から出来ています。高温(約1000度)で焼かれて
 おり素焼きよりも硬焼きです。若干、素焼きの鉢より通気性、透水性が劣
 るものの栽培には適していますし、素焼きに比べ壊れにくいです。

 ○化粧鉢
 駄温鉢よりもさらに高温で焼かれています。
 鉢の表面全体に釉薬を塗ってあるので見栄え
 が良く、盆栽に代表される高級園芸などによ
 く使われています。釉薬のため通気性、透水
 性はほとんどありません。今は、モダンで個
 性的なデザインの物があり部屋のインテリア
 になるものがあります。私は部屋の中で植物
 を植えるのではなく、小物入れとしても利用
 しています。

 ○その他
 粘土やプラスチック以外にも発泡スチロールや、ピート、紙、木、針金な
 どで出来たものもあります。


 ■鉢の選び方
 POINT1.
 水はけ、通気性の良い鉢を選ぶ。
 野生の植物は、雨が沢山ふっても地下に水分が引っ張られるため根腐れをおこすことは
 殆どありません。鉢植 えの植物の場合水やり後は過湿状態になるため、乾かないのに
 水をやりつづけると根腐れの原因になります。植木鉢は原則的に底に穴が開いていてそ
 こが、水と空気の出入り口になっていますが、鉢壁からの通気性のあまり良くないプラ
 スチックの鉢などは、用土に工夫をしたほうが良いみたいです。

 POINT 2.
 植物の大きさ、形の合った鉢を選ぶ
 植物の大きさ、形、根の形やバランスなどを総合的に考えて植木鉢を選ぶことが、発育
 はもちろん観賞という視点からも重要です。鉢の形とそれに合う植物を簡単にまとめて
 みました。
 ○腰高鉢
 口径より高さのあるタイプ。多くの観緑植物やラ
 ン、ジャスミンなどのあんどん仕立てやヘゴ板仕
 立てなどに合います。根が過湿に弱い植物を植え
 る場合はゴロ石をお多めに入れるなどの用土の工
 夫が必要です。

 ○深鉢(標準鉢)
 口径と高さがほぼ同じタイプ。もっとも多くの植
 物栽培に使われている鉢です。サイズも豊富で小
 苗の育苗にも使えます。

 ○浅鉢
 口径の1/2の高さ。丈が低く横張りする植物に向い
 ています。

 ○皿鉢
 フチの平たい鉢で、水分を嫌う植物を栽培すると
 きに土を山形に盛り上げて植えます。

 ○その他
 主につる性植物を観賞する吊り鉢。壁を利用できる
 壁掛け鉢。何種類かの植物を植えられる直径30cm
 以上の寄せ植え鉢など様々な場所で植物を楽しめる
 よう工夫されたものがあります。


簡単ではありますが、鉢にかんするレポートをまとめてみました。
とにかく、育てたい植物の快適環境、発育過程、観賞の目的を熟知した上で選ぶ
ということがとても大切だと思います。次回は植物とは切り離すことのできない
「土」についてまとめてみたいと思っております。


参考資料:栽培上手になる 土・肥料・鉢(日本放送出版協会)
     山草・野草入門(有紀書房)