[自然について]

静岡から新茶のかおりのおたより

 アイサーチ・ジャパンお手伝いありがとう、のみなさま。

 あたたかくなってきましたね。のんきな静岡は新茶がおいしいですよ。ちょうど、そんな八十八夜の5月1日のゆかいな出来事が静岡新聞に載っていましたので、お知らせいたします。

 毎週のように伊豆半島のあちらこちらでシュノーケリングしている私達は、その姿こそ確認できなくても、ずいぶん近くにイルカやクジラの存在を感じられて、しあわせです。漁師さんやダイバーの方から沼津沖にフレンドリーなイルカがいるよ、とか大瀬崎沖にザトウクジラの子供が遊んでいたよ、とか耳にすると、もううれしくてたまりません。
 海はみんな、つながっているんですよね。ということは、私が伊豆の海に入れば、バハマやハワイに暮らしているイルカたちはもちろん、国境なんかひと泳ぎで超えて、自由に回遊しているクジラたちともちゃんと”お友達”になれるにちがいありません。そう考えるようになってから、海でぼーーっと漂いながらゆらゆら不思議な模様を作り出す太陽の光を眺めているだけで、「そりゃあもう、生きていてよかったぁ」なんてわけのわからない心地よさを感じます。(B-380/夢見る加藤久美子さん)

◆とても素敵な内容のお手紙だと思います。
 まさに”同感”という感じですよね。
 私もサメに食べられるのでは?という不安を抱きながらも、海の上でボートやうきわにゆられながら、波を感じる事が大好きです。(実際ホントに沖でサメが出た事もありましたが・‥。陸ではテレビ局が取材にきていて大騒ぎでした)「場所は違っていてもこの海のどこかでイルカやクジラなどが泳いでいるんだ!!」と思える心のゆとりを大切にしてほしいと思います。(御蔵島リサーチポッド/布施薫)


「人間が生きている」こと

 以前町田市に住んでいた、ニューズレターポッドのメンバー、佐藤久美子さんから お便りが届いています。佐藤さんはNLの他に、ドルフィンマインドの方でも活発に活 動をされていました。
 この春から旦那さんの仕事の関係で、長野に住まわれることになりました。その佐 藤さんの新しい住まいからのお便りです。

 東京を離れ、早いものでもう1ヵ月たちました。長野での生活は、今までとは、正 反対の生活。雪おろしでスタートしたこちらの生活も、少〜し落ち着いて、ようやく 静かな時間を過ごしています。今、外で聞こえる音は、照ったお日様でとけた積もる 雪ですが、暖かくて、太陽が出ている日は、あっという間に雪が沈みます。おてんと うさまの力はすごい!と身をもって感じる瞬間です。FLIPPER特集の「地球に生きる こと」をウンウンとうなずきながら読みました。長野で暮らしはじめてから今までよ りもっともっと、自然のすばらしさ、すごさ、恐さを身近に感じています。この大自 然のなかで、いかに、人間がちっぽけな存在であるかということ、自然のすごさの前 では、人間は何もするすべがないということ。私達人間に喜怒哀楽があるように、自 然にも喜怒哀楽があるのでしょう。
 ”自然の中にいると、癒される”、とよくききますが、私はそうとは思いません。 やさしく癒してくれるのも”自然”なら、きびしく人の命を奪うのも自然のもつ力。 自然とよりよい関係でつきあって行くためには、最低限、守らなければならないルー ルとか、知らなければいけないこともあるのは事実です。
 田舎暮しは、一見のんびりしていそうですが、そうばっかりでもないのです。コン ビニやスーパーが近くにない、車がないとどこへもいけない、東京ほどのモノがない 。そこで思ったのは、本当に”生きていく”ためには、何が必要で、何が必要ないも のなのか・・・ということ。こちらのDIYショップでは、東京では見たこともない、 部品がたくさん売っています。
 都会暮しの人は忙しいから、部品と部品を組み合わせて、自分に必要なものをつく るということはしません。サービス業が発達してるから、する必要もないんですよね 。ところが、田舎では、電気修理に来てもらうにも遠いし、時間がかかるし、すぐに 来てもらえません。ならば、自分で直すしかない───ということで、ホームセンタ ーには、部品(パーツ)が、たくさん売っています。買い物に行くたび、そんなこと に驚きながら、過ごしています。
 「人間が生きている」って、それだけでスゴイことなんだと思います。都会で暮ら していると、その”生きている”実感すら、見近に感じられなくなってしまうのでは ないでしょうか。自分が生きて、”いま、ここにいる”ことを感じながら、今までの 出会いやこれからの出会いを大切にして行こうと、心新たにしています。
 アイサーチのオフィスには、今までのようには行けませんが、遠くから応援しつつ 、私もアイサーチでみんなと共に感じたり、考えたことを、これからも大切にしてい きたいと思っています。(長野県/佐藤久美子さん)

◆実際に体験している人の言葉はさすがに重みがありますね。私もニュースなどで、 落雷や台風の被害などを耳にするたびに、”しょせん人間は自然にはかなわないんだ ”と思います。私の田舎も長野のせいか、わりと自然の偉大さを身近に感じているの かもしれません。
 でも、「自然にはかなわない(抑えられない)」と思うことがすでにおこがましい ことかもしれません。だって、人間が自然を勝手に利用していて、”同じ地球上に存 在する生き物だ”ということをわすれているように聞こえるからです。(人間のほう が立場が上で、立場の下の自然を抑え付けようと・・・。)自然の力を抑えるという 考え方ではなく、どう受け止めるか、またどうすれば未然に防げるかと考える事が大 切で、そう考えることが共存につながっていくのだと思うのです。
 佐藤さんの返事を書いているうちに、自分のなかでこのように考えが変わっていき ました。自分の考えを言葉や文字にすることはとても大切なことだ、と改めて実感し てしまいました。この”気付き”を多くの人に実感して欲しいと思います。・‥ニュ ーズレターのお返事書き希望者!受け付けています(ニューズレターポッド/ 水上さよ子 まで)。


南極の環境保護を急げ!!

 こんにちわ、フリッパーが届くのを楽しみにしています。1月29日(月)朝日新聞に「南極の環境保護を急げ」という記事が載っていました。私はこれを読んでショックを感じました。私も自然に興味を持ち、もっともっと勉強し、本当に平和な地球であるように活動していきたいと考えています。
 しかし、これを読み野生動物とのコミュニケーションの難しさ(知らず知らずのうちに何かの形で、他の生物に害を与えているのではないかということ)に不安を感じています。
 私はイルカと私の生きがいバルーンで自然の素晴らしさ、大切さを知りました。これからは子供たちにイルカそしてバルーンなどで、自然に興味を持ってもらえるよう、私なりに頑張ろうと思いました。

※一度バルーンを見に佐賀に来てください。本当にすばらしいですよ。早起きはつらいですけども・・・(佐賀県/B-0061/田中郁子さん)

●「南極大陸の環境保護を急げ」(朝日’96.1.29より)

 南極大陸の動物たちから自然界ではもともと存在しない汚染物質が続々と検出されている。南極周辺には44ヵ所もの越冬基地があり、観光客は5年前より3倍以上の約8,000人にものぼる。この越冬基地や観光船からゴミや汚水が投棄されペンギンやアザラシなどの生息環境も悪化している。日本など各国はようやく、人間活動を規制する「南極条約環境保護議定書」批准の準備を始め、研究者からは「一刻も早く国際的な体制を整え、地球環境を守るモデルケースにすべきだ」と、積極的な保護活動を求める声が高まっている。
◆佐賀でバルーンをやられている方からのメンバーに向けてのお便りです。
 バルーンの写真付きのかわいい名刺も一緒に送ってきてくれました。もう一つの趣味があって、イルカや環境のことも真剣に考えているというのは素晴らしいと思います。
 私は南極などはまだまだ未開の地でクジラやアザラシたちがのびのびと生活していると思いがちでしたが、人間の進出はここまで進んでいるんですね。小笠原も最近では豪華クルーザーで行くツアーが出ています。待遇のいい交通手段は”自然やイルカをそんなに大切に思っていない人々”も招くことにつながりそうで、ちょと、恐いです。南極ですらこの状況ですから・・・
 田中さんは一度ドルフィンスイムをやられていて、今度は小笠原へ行きたいそうです。
 小笠原の感想も送って頂ければ嬉しいです。またこの新聞記事の件に関してのご意見ご感想もお待ちしています。(編集部/水上さよ子)


小笠原海洋センター調査ボランティア:山田奈枝さんからのお便り

 小笠原の海洋センターで海ガメやクジラの調査ボランティアをしている山田奈枝さんからのお便りです。ニューギニアの地震の影響ではるばる父島までやってきた津波の様子が生き生きと書かれていたり、クジラの写真やカメのイラストがちりばめられたとっても楽しい手紙です。私たちがふだん生活している場所はイルカやクジラの住む世界とは遠く隔たっていますが、海の向こうからこんなお便りがやってくると、急に海やクジラが身近に感じられてとてもうれしくなります。奈枝ちゃんこれからも最新の小笠原情報(小笠原絵日記??)待っているからね!!(ドルフィン・マインド・プロジェクト・ポッド/坂東香織)

 お元気ですか。このあいだはクレヨンハウスでごちそうになりありがとうございました。
 うちの母もすっかり、みんなのことが気に入ったようで(私としては空恐ろしいのですが・・・)とてもいい時間をすごしました。
 今、この手紙を海洋センター前の浜で書いているのですが、目が貝やサンゴにいってしまって、どうも筆が進みません。ここまで書くあいだに、きれいな貝が3つ、メノウ石4つ、サンゴ3つをひろいました。
 あと、視界の片隅にきれいな貝をみつけて、それが気になって集中できないでいます。
 てなわけで部屋に戻りました。
 このあいだの津波はとても楽しかったです。センター前のカメイケスはもう陸の状態、枝サンゴもすっかり顔をだし、とりのこされたサカナがピチピチしているし、船も陸上げ状態だし、でも、みるみるうちに水かさが増して、またどーっと波がひいていくのくり返しで、いっぺんに高波がくるようなことはなっかたの。ウニとかナマコとかいじっていたらおまわりさんに注意されてしまいました。
 でも、ニューギニアの地震で波が6時間足らずでくるなんて、しかも引力じゃなくて波動でくるなんて、改めて自然の力は偉大粐イルカが近くにいることが、今の最大の喜びです。でも、もっともっと大切なことを感じて帰りたいと思っています。
 隔週日曜日ですが、水産センターでアルバイトをはじめました。シマアジの稚魚の飼育やイケスのサカナのエサやりです。津波の翌日がアルバイトの初日だったのですが、イケスででっかいマグロは死んでるし、これから私が育てようというシマアジの稚魚は900匹も死んじゃうし(死体をカウントしたの・・・)自然の力に対応できなかった養殖魚がかわいそうになりました。
 そんなわけで自然に身近に接しながらいろいろなことを学び考えつつ毎日楽しく暮らしています。何よりも好きなクジラやカメやイルカが近くにいることが、今の最大の喜びです。でも、もっともっと大切なことを感じて帰りたいと思っています。
今のところ7/10前後に帰ろうかと思っています。
 みなさんもぽかぽかの日のにおいがするような暖かで幸せな気持ちで春をむかえてください。


かめちゃんのLove letter from Canada (Vol.2 11/3)

 緑豊かなここNorth Vancouverに住んでちょうど5週間になり、ダウンタウンの行き帰りのバスやその風景、リビングのソファーにも馴染んだところなのですが、残念ながら今週ここを離れる事になりました。
 新しく住むアパートも少し歩けば公園や海岸が近くにあるのですが、North Vancouverの木々達は私に色々教え、考えさせてくれたような気がします。
 日の光を浴び、地下から溢れ出す水、又は空から降り注ぐ雨によって喉を潤し、土が生み出す木の実、種、果実、根や葉、他の動植物からエネルギーを得ている私達はまぎれもなく自然そのものなんだと実感することができます。
 近年、人間は自然から離れ風土気候に左右されない快適な生活を求めてきました。でも、何千年以上の間、人間は自然と共に生き、自然とどう相入れていくか、という中で生きてきたはずです。だから、自然から隔絶されて生きる事は全く不可能なことで、まして人間の体と心自体がそれを受け入れることができないはずです。
 そしてその事に気付き始めた人達は少なからずいるのです。こうしてアイサーチの渦巻に加わっている人のほとんどがそうであると私は信じています。
 さて、バンクーバーの冬はレイニーシーズンでもあり、ほとんど雨ばかりの毎日らしいのですが、このところ晴天続きで美しい夕焼けや夜の星空をながめる事ができます。西の空が濃いブルーから薄いブルーへ、そしてオレンジ色へと変化しているのをバックにくっきりと木々達が黒いシルエットを作っていて、それを見るたびに、何て贅沢な時間なんだろうと溜息をつかずにはいられません。少し、キザな言い方になりますが、こうして毎日たくさんの自然からの贈り物を受け取る事が今の私の何よりの幸せとなっています。
 みなさんも贈り物を見過ごさない様に...
 それではSee you next time.

◆カナダに行っている亀崎さんから2度3度に渡りお便りがありました。いつも楽しい近況と、考えさせられるお話をびっしり書いてきてくれます。お会いした事は無くても、亀崎さんの人柄がにじみでてくる文面で、私もこんな手紙が書けたらと思います。(編集部/水上さよ子)


九十九湾(能登)にジュズサンゴ

 こんにちは、今回は私の住んでいる北陸の海の記事を報告します。北陸の海というと「鉛色の海」と思うでしょ?(まさにそのとおりなんですけど...) しかし、以下の新聞記事をご覧ください。

●石川県は、日本海側で確認されていなかった非造礁性イシサンゴ類のジュズサンゴの一種が内浦町の九十九湾内2箇所で発見されたことを明らかにした。群集は最も広い場所で約6平方メートルにもおよび、群集の形成規模は世界最大であることも判明した。新種の可能性のあり、本格的な生態調査を行い、種の特定を急いでいる。ジュズサンゴ類は、三重県、伊豆諸島で見つかっており、今回は最も北での生息となる。大きさは平均3〜4ミリと、小さく触手広げたときの直径は大きくても1センチ程度。約6平方メートルの群集地に密集しているジュズサンゴの数は1平方メートルあたり約4万個体が生息している。

 これは、夏にバック・トゥ・ネイチャー小笠原プログラムで行って泳いだ小笠原の海に負けないぐらい(?)の美しい珊瑚。
 能登には能登島水族館もあり、イロワケイルカがいます。(赤ちゃんを産んだという噂も)富山はイルカの記事は乏しいのですが、お便りすることに意義があるのですよね。(B−388/富山県/菅野智代さん)

◆いつも、情報をありがとうございます。私も小笠原の海でシーカヤックに乗りながら透き通った海の中の珊瑚を見ました。港の付近にも関わらずとても綺麗だったのを、菅野さんの手紙を読みながら思い出しました。海の中に入ると、人間は生息できない別の世界を実感します。そこで産まれる生物の美しさはとても人間には真似の出来ないものですね。菅野さん、今度はイロワケイルカの報告を待ってます。 (コメント&イラスト:編集部/斎藤まどか)

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