クラス・ゼミナール


中村高校の生徒会誌「中村」第28号1996年2月発行より

クラスゼミ。それは学校祭の第2日目に行われる。そして第2日目のメインイベントでもある。ただし、2日目はこのクラスゼミと翌日から行われる文化祭の準備なのであるが。そもそもクラスゼミとは、前日の体育祭と翌日からの文化祭の間にはさまれ、存在感が薄くなりがちである。そして、前日の疲れと明日への力を保存しておくためか、みなさんの熱意も他のイベントと比較すると、少々あっさりしているような気もする。

こんなクラスゼミであるが、実はとてもいい事がたくさん、たくさんつまっているのである。この良いことを今から私が書こうと思う。ちなみに私は今年、クラスゼミの実行委員という、簡潔に言うと、クラスゼミを企画し、運営し、司会をするという仕事をしたので、クラスゼミというものを、一般の中村高校生よりは、知っていると思う。

まず、クラスゼミとは何か? それは、クラス単位で行う、一つの討論会。最近のことばで言えば、ディべートである。話し合うテーマによって、成功するか、失敗に終わるか、くっきりと明暗が分かれる。このテーマは、クラスゼミ実行委員会が考えて決める。参考のために書くと、私たちのクラスでは宗教について話し合った。一見盛り上がりそうにないテーマであるが、オウム騒動が起きたあと、時代はオウム裁判の真っ最中ということで、大成功であった。やはりテーマ決めにおいては、話し合いやすいものを選ぶべきであろう。また、最近はやっているものや注目されているものを選ぶのもいいかもしれない。

次にクラスゼミの目的を書くと、一番最初に頭に浮かぶのはクラスの団結力を強くするためだと思う。しかし,団結力を強くするだけなら他の行事でもできる。クラスゼミの本当の目的とは、自己主張できる人間になるためだと思う。現代社会で習うように、私たち日本人はどうも自己主張ができない性格らしい。私も典型的な日本人なので、どうも自己主張は苦手だ。だから、このクラスゼミを利用して、自分の思っていることをどんどん発表してみれば、みんな自分を見る目が変わってくるかもしれない・・・?

 ということで、長々と私のクラスゼミについて思うことを書きたいだけ書いてみました。私が思うところ、クラスゼミは体育祭や学校祭と違って、個人の思うままに能力に関係なくできる行事です。だから、自分がやる気を出せば、出した分だけ結果が出るのです。クラスゼミ委員になって、このやりがいのある行事を企画し、運営してみるのも良し。どんどん自分の意見を発表して、みんなの注目を集めるのも良し。今度の学校祭の第二日目、クラスゼミは、今までとひと味もふた味も違ったものにしてみませんか。


1996年学校祭の各クラス、クラスゼミテーマ

3年:死刑は廃止すべきか? 犯罪心理を探ろう、死刑廃止、情報社会の中でプライバシーは守れるか、同性愛について、夢判断、安楽死について、プロスポーツ・アマスポーツ、ぼくらの授業、クラスゼミ再考委員会

2年:妊娠中絶について、ドラエモンはのび太の成長にとってよかったのか、制服の私服化について, 愛について、真実の愛、名古屋駅の中東人について、Love or Money、現在の高校生について, 性転換

1年生:消費税を上げるべきかどうか、生と死の境界線、安楽死、男と女どっちが得か、税金、学歴社会に賛成か反対か、人間に必要なのは知 or 体力?

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制作 中村高校ホームページ作成チーム1996年8月
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