7.私の見た厚生行政
さて、当初電子マネーについて考察するはずであった、
この雑文も、当初の意図にはなかなか近づかず、雑談ばかりしている。
こうなったら腹を据えて、
「ほぼ雑談、たまに本題」というスタイルにしてしまおう。

本日の雑談は、厚生省のことである。

厚生省の役人たちがどのようなことをしてきたかについては、
皆さんよくご存知であろうと思う。
私に言わせれば、薬害エイズというのは、小さい事件である。
今回の老人ホーム立てまくり事件の方が、
はるかに大きい。

私は大学に在学中に、
社会調査で、老人福祉をやった事がある。
我が**大学社会学研究室の、三回性全員で、
市内の老人福祉施設について、一年間にわたり調査した。

もちろんゴールドプランについても検討したし、
ゴールドプランの本質についても、十分把握できたと思っている。

ゴールドプランのばかばかしさについてはともかく、
老人福祉施設のひどさも、見ることができた。

老人福祉施設のすべてが悪いわけでは、決してない。
ある老人福祉施設は、かなり伝統のある施設で、
地域に密着した、よい施設であった。

すぐとなりは幼稚園で、
言うまでもなく、老人は子どもが好きである。
「かなりしんどいお年寄りでも、
子供たちが遊んでいるのを見ているだけで、
表情が違ってきます」
働いていた人はそういった。

ところがある施設は
なんと山の中に立っているのである。
もちろん老人が山の中まで歩いて行けるはずもない。
それでバスの無料回数券を渡して、
人を集めているのである。

無料なもんで、はるか彼方の、先ほどの「良い」施設近辺の住人まで、
バスに乗ってくるのである。
どうせバス代は税金で払われるのであろう。
もちろん周りには何にもない。
「これは福祉施設ではない。
隔離施設だ」
とは、そこの職員の人の弁。

クラスメイトの一人が、
そこのお偉いさんに、
細かいことを聞きに行った。
予算がいくらで、お金の出所はこことここからで、、

最後にお偉いさんが言ったそうである。
「お金がかかりすぎているとかいわれたら、困るんだよ。
だからレポートには、具体的な数字は書かないでね、、、」

お金がなんぼかかっているかは、
調べればすぐに分かることである。
それをどうしてかくさにゃならんのだ。

ところが学者というものも、
誉められたもんではない。
社会調査の鉄則は、
「調査された人に迷惑がかかってはならない」
である。

私も人に迷惑をかけるのは好きではないので、
この話はこれまで。
人に迷惑をかけたくない人々が集まって、
今日の日本ができたわけである。

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