INTRODUCTION
博多の音楽シーンを振り返った文章は、これまでにも何らかの形で残されている。
だから、これは使い古されたテーマかもしれない。
しかし、ファッション、政治、流行など、音楽を取り巻く大小のシーンを絡めて博多の街を生き抜いてきたミュージシャンや彼らを支える裏方の人々を語ったものは、まだ無い。
博多の音楽シーンは裏も表も、素材に事欠かない。その時代ごとに小さな地球のごとくウェーブし続けたのが博多である。
- 楽器を持つだけで不良と呼ばれ、それでもロックが生活の一部であることに優越感を感じた時代…
- 良くも悪くも、頑固に博多の色を出し続けた時代…
- 東京から発信される情報より、世界の情報自然に取り入れ、タムリーに反応してきた時代…
- バンドブームの去ったあと、低迷していると言われ続け、それでもマイペースに生きてきた時代…
- そして、あまりにも日常化してしまったロックに、退屈さえ感じない、不感症ぎみの時代…
しかし、それらの真実をまとめたものは、まだ無い。
【ベロ】