朝日新聞社提供
世界が超高層ビル建築の時代に入ったのは1920年代でした。その記念碑的存在となっているのが102階の高さを誇る、ニューヨークのエンパイア・ステートビルです。日本で高層ビルが初めて立てられたのが1968年、そして1978年には、60階の池袋にサンシャイン・シティー・ビルが登場し、以後、多くの超高層ビルが立てられることとなりました。高度な建築技術だけではなく、防災システムやエレベーター、そして電話に代表される移動・伝達手段の発達に支えられ、高層ビルは、会社あり、レストランあり、公園ありと、都市のなかのもうひとつの都市となっていきます。かつては、天に一歩でも近づきたいという人類普遍の願いを象徴していた塔も、経済力と繁栄を誇示するビルに変わっていきましたが、高いものを見ると感動するのだけは今も昔も変わりません。