週刊朝日提供
1995年6月、羽田発函館行きの全日空機がハイジャックされました。オウム真理教の信者と名乗る犯人は、液体の入っている袋を振りかざし、人々をサリンの恐怖に陥れました。機内の様子が全くつかめない状況のなか、機内突入のきっかけとなったのは、トイレから、あるいは犯人の目を盗んで連絡をした、乗客の携帯電話でした。「犯人はオウムと無関係、単独犯、プラスチック爆弾は持っていない」と確信した政府は、夜明けの機内突入を決行。犯人逮捕・全員無事救出したのです。個人一人一人が情報発信者になるというマルチメディア社会の思いがけない一面を見せられた出来事でした。