ラジオが視聴者参加型のクイズ番組をはじめたのは、戦後まもない1947年(昭和22)のことでした。やがて、郵便はがきに代わって、電話でリアルタイムに応募を受け付けるようになり、その即時性、スリル感、即興的なおもしろさは、たちまち人々の人気となります。1954年(昭和29)に始まったラジオ東京の「テレフォンクイズ」第1回では、アナウンサーが電話番号を告げたとたん、おびただしい数の電話が殺到、電話局のセレクタのヒューズが飛ぶという事態が発生する大騒ぎとなりました。以後、番組中は扇風機で機械を冷やし続けたり、応募者を電話番号の末尾でしぼったり、てんやわんやの放送を繰り返します。まだ、設備も不十分な時代に敢行されたこの試みが、現在でもラジオ番組に根強く生かされているのです。