大震災は、それまで東京に残っていた“江戸の情緒”と“明治の面影”、そして歴史を伝える様々な貴重な資料を失うこととなりました。電信局には離ればなれになった家族に安否を知らせるためにハシ袋や古新聞のはしなどにエンピツ書きした発信紙をもった人の長い列ができ、電報は無料で受付られました。内務大臣後藤新平を中心とする復興計画により、東京は近代的な都市となっていきます。壊滅状態となった電話も復興を機会に手動交換から自動交換へ移行することが決定されました。莫大な費用と手間のかかる、この大変革は、逓信省にとっての一大決心でありました。