彼女たちは、皆1970年代生まれである。
そんな彼女たちの部屋には、自分たちが経験したわけでもない７０年代を回顧しているかのようなエッセンスが散りばめられている。彼女たちにとっての新しさを、繰り返されるファッションの流れの中に括ることはできない。 膨大な歴史を持つ京都という土地で、その歴史の深さに呑み込まれることもなく、自分の居心地の良い「すき間」をうまく作って生活している。しかしその居心地の良さとは、古いものを単に新しいものに変えるということではない。むしろ彼女たちは、ゆっくりとした時間の流れの中に存在しているようだ。目が眩むような様々な小物や雑貨で彩られたその部屋には、お婆ちゃんの代から受け継がれた「モノを大切に」という心がしっかりと宿っているようにも見える。

これは彼女たちの自己主張であり、そこだけで完結されたまぎれもない小宇宙なのである。
その空間は彼女たち自身のためのプライベート・ギャラリーでもある。ギャラリーに参入できる数少ない友人や恋人だけが、彼女たちの現実の素顔を知ることができる。この特別な京都のすき間を、QTVRを通してかいま見させてもらおう。
今回、特別な部屋を公開してくれた彼女たちに感謝。