モロボシおじさんあれ、これは近所のスーパーマーケットじゃないか。ここにはオモチャなんか売ってなかったけどなぁ。
ホシノ少年フフフ。お父さん、ボクはちょっと用事があるので失礼しますが、あとのご案内はこのバルタン博士がお引き受けします。
バルタン博士フォフォフォ。よろしく。
アンヌちゃんそれじゃね。私たちはいそがしいからここで失礼するわ。バルタン博士、うまくやるのよ。
バルタン博士フォフォフォ。
モロボシおじさんいったい何処にあの怪獣たちは売ってるのかなぁ。
バルタン博士フォフォフォ、ここだ。
モロボシおじさんえっ、ここはお菓子のコーナーだよ。あんなオモチャはどこにもないじゃない。
バルタン博士フォフォフォ、よく見なさい。
100円、200円、300円と様々なキャラクターが描いてある箱がならんでいる。
モロボシおじさんでも、これはお菓子のオマケでしょう。この箱にお菓子が入ってるんだから、オマケは小さいものじゃないの?
バルタン博士フォフォフォ、
まあひとつ買ってみなさい。
モロボシおじさんええっ、なかにはソフビの小さな人形が入ってて、まるでオマケみたいに小さなラムネ菓子が入ってる。これじゃ昔の逆だね。
バルタン博士フォフォフォ、もちろんまだお菓子主体のものも多いが、この10年でキャンディトーイとか食玩とかいわれるオモチャ主体のお菓子がどんどん売り上げを伸ばしている。全体の市場規模は300億円とも400億円とも言われている。
モロボシおじさんへぇ、見かけはただのバルタン星人なのにけっこうよく知ってるじゃないですか。これは中が中空になってるソフビ怪獣だよね。ボクらの時にはこんな小さなものはなかったけど、よくできてるなぁ。
もうひとつ買ってみよっと。
モロボシおじさん今度は少し大きめの塩ビの人形だけど、なんだか見たことのないウルトラマンだなぁ。
バルタン博士フォフォフォ、それは今年始まった新シリーズのウルトラマンティガだ。キャンディトーイはもともと他の菓子類と比べて単価が高めだったので、10年前にはなかなかスーパーマーケットの売り場に置いて貰えなかったそうだ。買物のついでに子供に買うには100円が限度、というのが当時の常識だっんだな。
モロボシおじさん実はもう一つソフビ怪獣を買ったんだよな。
バルタン博士フォフォフォ、話の腰を折らないでいただきたい。実際に商品を置いてみると、これが実によく売れた。一般のオモチャに比べればはるかに価格が低いし、特にここ数年は中国生産でコストが下がって、質の高い商品がどんどん現れてきたのだ。
モロボシおじさん確かにこの出来でこの価格は安いよなぁ。
バルタン博士フォフォフォ、
わしもひとつ買っているぞ。
モロボシおじさんあれ、これはまた小さな人形が二つも入ってる。これは石油会社のコマーシャルに出てきたゼアスだよね。
バルタン博士フォフォフォ、これは塩化ビニール製の人形で、怪獣との対決シーンになっている。ちゃんと光線も発射しているのだ。
モロボシおじさんやっぱりボクはソフビ人形に愛着があるなぁ。
実はもう一つ買ったんだよね。
バルタン博士フォフォフォ、キャンディトーイの購買者はほとんどが5才未満の子供だし、1アイテム10万個ほどの個数を生産するからあまりマニアックな企画は無理かも知れんな。しかし、キャンディトーイがもっともっと広い層に定着してくれば、今後は低価格で夢のような企画が実現するかも知れんぞ。私は個人的に世界のカブト虫や機関車トーマスのシリーズが好きだ。
モロボシおじさんああっ、いつの日かスーパージェッターやジャイアントロボが200円で手に入る時代が本当にくるんでしょうか……。
バルタン博士そ、それは無理だろう……。